オセロ 第28話(スザルル)

28


 近所のカフェからホテルへと帰り着いた三人は、自然に部屋を分かれた。
 ルルーシュはスザクの部屋へ。C.C.は一人、今までの部屋へ。
 カフェに入って暫くしてから、示し合わせたようにスザクもやってきた。そういったタイミングの符合でさえ『神の贈り物』だと思えばいいのだろうか。
 開錠したスザクが先に室内へと入っていく背中を目で追いながら、ルルーシュは一年前、クラブハウスの自室に招いた時、促すように入口のドアを支えて待っていたスザクの姿を思い出した。
 こういう所が、以前と違う。……当たり前のことだが。
 三日ぶりに顔を合わせたスザクの一人称は、完全に『俺』に戻っていた。
 スザクの部屋に入ったルルーシュは、何とはなしに中を見渡した。部屋の片隅には、この街に入ってから調達した衣類が何着か置かれているだけで、飲食をしたらしき形跡は無い。
 しんとした部屋の中で空気が張り詰めていく。知らない人間とまでは言わないが、気の置けない友人と一緒にいる時のように馴れ合った雰囲気では決してない。
 ただ、ルルーシュは落ち着かない反面、これでようやくスザクと一対一で向き合える安堵をも同時に感じていた。
 隣室なので、窓から見える景色は変わらない。自室と同じく窓辺の椅子に陣取ったルルーシュが、ベッドサイドに座るスザクの方へと振り返る。
「俺は、皇帝になる」
 既に話していたことながら、ルルーシュは敢えてもう一度宣言した。
 スザクはルルーシュをひたと見据えたまま、感情の揺らぎがない顔でそれを聞いている。
「だからスザク。今、改めてお前に問う。……お前は、俺の剣となる覚悟はあるか?」
 悪としての片棒を担ぎ、ルルーシュの騎士となる覚悟が出来ているかどうか。
 スザクは絶対に否とは言わない。それでも、この質問をすることは、二人にとって必要な通過儀礼だった。
「君を護れというのなら、それは無理だ。俺の剣は殺す剣。もう、誰かを守る剣にはなれない。それでもいいのか?」
 固い表情のまま、スザクは即答した。
 軍人として、騎士として、殺戮を拒みながらも大勢の人間を手にかけ、自分という剣を血で汚してきたスザク。
 守りたい、助けたい、救いたいと願いながらも、人を殺すことが己の業なのだと悟った者の、壮絶な辛苦に満ちた心の内側が透けて見える台詞だった。
「それでいい。だからこそ必要だ、お前が。――それに」
「…………」
「八年前に約束してくれただろう。『俺がお前を皇帝にしてやる』と」
「!」
 ルルーシュの言いたいことを察したのだろう。スザクは一瞬息を飲んでから、すぐに唇を引き結んだ。
 本当は、お互いに解っている。言葉にこそしないものの、つい先程、カフェにいた時にも確認し合ったことだからだ。
 ここに居るのは、今スザクと向き合っているのは、ルルーシュ・ランペルージでもゼロでもない。
 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという、祖国に捨てられた元皇子。
 そして、ルルーシュを見つめるスザクもまた、只の枢木スザクでしかなかった。
「俺はまだ、君を赦していない。俺の思いを踏みにじって、ゼロの仮面を被り続けてきた君を」
 スザクは静かな声で断罪する。
 三人でいる時には口に出さなかった、スザクの本音だ。
(積もる話もあるだろうからな、か……)
 C.C.も言っていた通り、このスザクという男は、決して一筋縄でいく人間ではない。
「ああ。解っている。だから、俺たち二人で創るんだ。ユフィとナナリーが望んだ、優しい世界を。それこそがお前の望み続けてきた償いの道であり、今の俺に出来る懺悔……。お前と、明日を奪った人々、そして、世界に対する唯一の――」
 その為にも、まずは世界征服から。
 ルルーシュが同意を求めるようにスザクを見れば、察したスザクもルルーシュの意思を汲んで目を合わせてくる。
 共犯者としての、これは確約だった。
 スザクの纏う空気が押し殺した怒気ではなく静寂であるのも、過去を取り戻すことなど出来ないと悟ったが故の諦観なのだろう。だからといって、足掻くことをやめた訳ではない。土を噛んででも、成し遂げたい目的がある。
 今の二人に余計な言葉は不要だった。同じ位置に立った者同士だからこそ、思いを共有出来ると知っているから。
「ルルーシュ。君のシナリオを聞かせてくれ」
「それは、同意したと受け取っていいんだな?」
「ああ。俺に拒否する理由はない」
 スザクの答えを聞いたルルーシュの瞳に、峻烈な炎が点る。
 ……これで、駒は全て出揃った。
 背凭れに背中を預けたルルーシュは、練り上げた計画についての詳細を語り始めた。
「まずは、帝位の簒奪。これは、超合衆国を抑え、実質的な世界統治に至る前に打つべき最初の一手だ。ブリタニアという国そのものを、俺たち二人で制圧する。シュナイゼルはブリタニアには戻らない。クーデターの件を一時保留にし、超合衆国との交渉を継続する傍ら、俺たちを捜索していると見せかけつつカンボジアに逃げる」
「ダモクレスか」
「そうだ。つまり、いつでもペンドラゴンを占拠出来る」
「ギアスさえあれば……」
「ああ。まずはそこからだ」
 ルルーシュは一息ついてから、宙を睨んだ。
「シュナイゼルは、俺がこの先ブリタニアの帝位を狙うだろうと気付いている。俺たちの潜伏先についてもだ。だが……」
「解った上で、泳がせている?」
 打てば響く早さで切り返してくるスザクに向かってルルーシュは頷いてみせた。
 追っ手がかからない理由についてはスザクも察していたのだろう。
「皇帝と反目し合っていたシュナイゼルは、皇帝を破れるとしたら俺しかいないと考えていた。そして、俺が勝つだろうとも。お前を皇帝暗殺に差し向けたのも、奴なんだろ?」
 既に確定している予想ではあるが、更に立証させるべく言質を取ろうと水を向ければ、スザクは俯き加減になりながらも頷いた。
「そうだ。フレイヤの……ナイトオブワンになるための功績を、ギルフォード卿に渡すと。だから、皇帝暗殺は俺から進言した」
 やはりな、と言いながら、ルルーシュが目を細める。
 スザクを煽って皇帝暗殺を進言させたのも、シュナイゼル本人。その場にいたスザクは葱を背負った鴨にさえ見えていたことだろう。
(俺とスザクが接触することでさえ、奴にとっては織り込み済み。俺たちを逃したことも、全て)
 シュナイゼルは、黒の騎士団を追われたルルーシュが神根島に向かうだろうと知った上でスザクを向かわせている。
 手段は違えど、二人が目指す世界は同じ。その二人が、皇帝の死を前に結託することでさえ読んだ上での暗殺命令――。
 言ってみれば、一緒に逃げるであろうスザクは、ルルーシュに対するプレゼントのようなものだ。クーデターを起こした時点で皇帝になる気など更々無く、上手くいけば最善の手を打つことも可能だと考えたのだろう。
 シュナイゼルはスザクの性格や行動の動機、情などについても読んでいる。
 その後も有効活用するつもりではいるが、とりあえず皇帝さえ殺せれば、ルルーシュを駒とした最大の目的は達せられたこととなり、仮に、ルルーシュと接触したスザクがルルーシュを殺すとするなら、それはそれで構わない。
 煮るなり焼くなり好きにすればいいということだ。
(奴にとっては、俺の生死など所詮はゲーム。スザクが俺を殺す確立は限りなく低いと判断し、且つ、俺たちが結託すれば尚良しとし、どちらに転ぶかは高みの見物……)
 とことん人を見下し切った発想だと歯噛みしながら、ルルーシュは忌々しげに吐き捨てた。
「俺たちが生き延びた以上、あいつは俺たちを使う気だ。やりにくいこと承知の上で自分が皇帝になるよりも、悪者に一人出てきてもらって、それを討つ立場になるのが最も望ましい。でないと、ダモクレスによる支配でさえやりづらくなるからな」
「……それは、対抗勢力が出てきてしまうということか?」
 自分もルルーシュと同じく利用されたのだと知ったスザクとて同じ思いなのだろう。スザクは表情を僅かに険しくさせながら尋ねてくる。
「それもある。ついでに、出来ればそれも俺に潰してもらいたいという腹だろう。だが、あいつの本当の目的は、俺と一対一の構図に持ち込むことだ。自分を、世界にとっての正義とするために」
 シュナイゼルは、持ち駒と判じた者を骨の髄まで利用し尽くす。その為だけに、出来るだけ生かして使う方向で物事を考える。
 というより、執着が無いので失ったら失ったで構わないけれども、生きていればその時はその時という手を用意した上で、生かすか殺すか考える。
 ――そして。
(奴は、決して『死に物狂いの手』を打たない人物でもある)
 逃げたルルーシュに帝位を簒奪させ、父殺しの罪を背負わせ、更に、世界の敵として始末する立場になる。
 交渉中と見せかけている間にルルーシュたちが出てくれば、それで全部思惑通りという訳だ。
「本来、交渉には最低数ヶ月くらいは必要になる筈だが、あいつが欲しているのは、一応やるべきことはやったという形式だけだ。正式な手段を経たという体面さえ整えばそれでいいと考えるなら、そこまで時間はかけないだろう。精々、二、三ヶ月くらいが目処といったところか」
「それで出てこなければ……」
「ああ。自分が次の皇帝になればいいというだけの話だ」
 スザクに応えながら、ルルーシュは思った。
 皇帝・騎士という関係が形だけのことならば、シュナイゼルの演じる権威もまた、仮面でしかないのだと。
(ずっと対等でありたいと思い続けてきた。俺も、スザクも)
 ……しかし、それと同時に、心密かに願い続けてきたことがある。
「なあ、スザク」
 砕けた口調で呼びかけてみれば、向けられたのは一対の深緑。
 翡翠のようなその奥にどうしようもないほどの悲しみを湛えながらも、スザクの瞳は相変わらず生真面目そうだった。年月を経て厳しさを増してはいても、意思の強さだけは変わらない。
 肘掛を支えに頬杖をついたルルーシュは、微苦笑を浮かべながら言葉を紡いだ。
「皮肉なものだと思わないか?」
「?」
 意図を量りかねたスザクは怪訝そうにしていたが、すぐに気付いた。
「君が皇帝になるということが?」
「ああ。ブリタニアをずっと否定し続けてきたこの俺が……それに、巡りめぐって俺とお前が皇帝と騎士かと思うと、運命の悪戯にしては少々演出過剰だと思ってな」
 スザクは真顔のまま、
「気が早いよ、ルルーシュ。まだ本当になれた訳じゃない。これからだろ?」
 感慨に浸っている場合か、とでも言いたげなスザクの真面目さが、ルルーシュには妙におかしく思えた。
「いいや、なれる。それにこれは、なれるかなれないかという問題でもないだろう?」
 不可能を可能にする。いや、今までもずっと可能にしてきた。それが、この二人なのだから。
 所詮、形だけのことではあるが、と前置きしてから、ルルーシュが小さく息をつく。
「舵取りは俺がやる。お前は俺の騎士となり、剣となって、一度徹底的に世界を破壊しろ。それが出来るのはお前だけだ」
 ルルーシュはこの時、スザクに対して抱き続けてきた思いについて反芻していた。
 寧ろ、不満と言い換えてもいいかもしれない。再会してからというより、学園内で監視を受けていた頃は特に――。
 そうやって、お前は俺から全てを奪っていくのか。まるで、一本、また一本と、手足をもいでいくように。
 意思など持たぬ人形のように、家畜のように、お前の作り上げた鳥篭の中に居ろというのか。
 守りたい者を守る自由すら認めずに。
 そう思ったことも、あったけれど。
 まだ眉を寄せているスザクの顔を眺めながら、ルルーシュはふと表情を真剣なものへと改めた。
「スザク。お前は英雄になれ」
「―――!」
 ルルーシュが言い渡した瞬間、目を見開いたスザクの顔色がはっきりと変わった。
「……英雄?」
 意味を解しかねたスザクが尋ね返してくるのを横目で捉えながら、ルルーシュが「そうだ」と簡素に答える。
 自分一人が悪となって、平和をもたらす。そう考えていたスザクが望む、『贖罪』とは遥かにかけ離れた言葉。
『英雄』の示す、真の意味とは――。
「俺とお前がこれから演じる皇帝と騎士という役ですら、権威という名の一つの仮面であり、只の通過点に過ぎない。……問題はその後だ」
 硬直したスザクは身を竦ませ、身じろぎもせず台詞の続きを待っている。
 ルルーシュはスザクから目を逸らして先を続けた。
「シュナイゼルも同じように仮面を被り、権威を演じている。だが、奴には自分というものが無い。個としての顔――つまり、自分を持たない者は、仮面を被ることが出来ない。自分を持たざる者、持つことをやめたがる者。それは既に、人ではない」
 ギアスをかけられてしまった者や、ギアスを使う者自身も同様だ。卑劣な力を振るう者は悪魔となり、意思を捻じ曲げられた者たちも例外なく奴隷化し、人間ではなくなってしまう。
「人は死ぬまで『無』にはなれない。その一歩手前にいるのがシュナイゼル……。奴の本質は『空虚』であり、実体の無い『虚無』であるに過ぎない。力を持っただけの、只の幻想。でも、今のお前は『スザク』だろ?」
 本来の自分である『俺』に戻ったスザクにルルーシュが尋ねると、スザクもこくりと頷く。
「今の君は『ルルーシュ』だな」
「ああ」
 共に仮面を脱ぎ捨て、素顔になって向き合う二人がそこに居た。
「だから、世界を統一したのち、お前は『枢木スザク』ではない『ゼロ』となり、この俺を討て」
「――――」
 スザクは一時言葉を失ったものの、『ゼロ・レクイエム』の詳細について端的に言い切ったルルーシュをしんとした眼差しで見つめている。
 やがて瞼を伏せ、重苦しい声で呟いた。
「ゼロ……。『無』という意味か」
「そうだ。元々、ゼロという名前の意味は『無』。存在そのものが只の記号。お前も知っての通り、ゼロの真贋は中身ではなく、行動によってのみ測られる。だからこそ、中にいるのは個人であってはならず、世界にとっての革命の象徴でなければならない」
 少なくとも、新しいゼロは。
「ルルーシュ、俺は――」
 縋るように向けられたスザクの眼差しを振り切り、駄目押しのようにルルーシュは続けた。
「俺を討つと同時に、枢木スザクも死ぬ。この世から消えてなくなる。新たなゼロになるというのは、そういう意味だ」
「…………」
 傲然と告げられたスザクが沈黙する。
 ルルーシュの表情には迷いが無い。スザクが何を訴えたいのかは解っていたが、これはスザクにとっても罰なのだ。
 解放よりも、重い罰を。
 心の奥底で贖罪のための死を求めていたスザクだからこそ、この計画に賛同させ、納得してもらわねばならない。
「世界が『対話』という一つのテーブルに着く為にも、俺を殺す役が必要だ。俺の命を、最大限有効活用する。それしか方法はない」
 死は償いではない。本当の意味での罰にはならないと知っている。
(俺に明日を迎える理由は、もう無い。この俺の命ひとつ程度で全てを贖えるとも思わない。しかし、全てを失い、自身の価値を獲得する術ですら失ったこの命だからこそ、世界の礎になることが俺の罰。唯一の、償いとなる)
 ルルーシュは心の中で呟いた。今だけは悟られぬように、ひっそりと。
(解るか? スザク。ゼロとなって俺を討てば、お前はまた、俺を殺した罪を背負ったつもりになるかもしれない。でも、これは決してそういう意味ではないんだよ)
 ――新たなるゼロは『人殺し』であってはならない。
(ゼロ……あれは、仮面によってしか被れない仮面だ。生きて償う『僕』としてのお前にしか……)
『俺』としてのスザクが死に、『僕』という仮面だけを『ゼロ』として残す。
 その意味に、スザクは多分、すぐに気付くだろう。
 ルルーシュは沈黙し続けるスザクを平然と見返しながら、落ち着き払った声音で話した。
「俺のギアスによって意思を捻じ曲げられたお前だからこそ、担える役割だ。ゼロとなったお前は、世界を救った英雄として、その後も世界平和に貢献するべく仮面を被り続ける。それが、お前の償いだ」
 ルルーシュ自身が「生きろ」と願った、唯一の存在であるからこそ。
 そんな心の声が伝わったのだろうか。ルルーシュから目を逸らして沈鬱そうに黙り込んでいたスザクが、その時おもむろに口を開いた。
「『一度抜いた刃は、血を見るまで鞘には納まらない』――これは八年前、父を殺した俺に、桐原さんが言った言葉だ」
 スザクはぽつり、ぽつりと、一言づつ区切りながら語り出した。
 父殺しの件について話す度に震えていたスザクは、もう、そこには居ない。
 しかし、抑揚に欠け、感情そのものでさえ欠落している虚ろな声は、八年ぶりの再会を果たした頃からルルーシュが聞き続けてきたものと全く同じだった。
 今のスザクは、C.C.と会話していた時のルルーシュ同様、憔悴し、酷く乾き切っている。
 決定的に異なる部分を一箇所だけ挙げるとすれば、スザクが感じているのはルルーシュが抱く悲壮の果ての受容などではなく、今も冷めやらぬまま抑圧され続けている激しい怒りである点だ。
 理性と感情が鬩ぎ合い、プラスマイナスゼロの平行線を描く時、スザクの表情はいつも凪になる。
 今も、怒りは全て自身の内側へと向けられているのだろう。強烈な自身への憎悪ですら押さえ込むほどの精神力とは如何ほどのものなのかとルルーシュは思った。
「俺自身が、どこで自分の刃を納めるか。何を選ぶか。今流した血に、そして、これからも流し続ける血に対して、いかにして責を贖うか。……それが出来ないというのなら、この場で己の命を断て、と」
「…………」
 凍て付いた無表情になったスザクを、ルルーシュは無言で見つめていた。
 当時、弱冠十歳の子供でしかなかったスザクに叩き付けるには、あまりにも苛烈で残酷な言葉だ。
 自らの死を償いと考えるようになった、スザクの原点。まだ形成途中にあった人格の根幹でさえも揺るがすほどの、凄まじい衝撃。
『八年前に、引き離されたりしなければ良かったんだ』
 そう言っていたC.C.の言葉が、ルルーシュの脳裏を過ぎっていった。
(お前のその苦しみも、これで終わらせることが出来る。お前自身が望み続けていた償いの道。真の救済でもある『ゼロ・レクイエム』によって)
 果てぬ悲劇と後悔の連鎖。それら全てを断ち切り、許し合う為に。
 血に汚れた剣でさえ、正義を行う者が使えば生かされたのだろう。
(その存在ですら、スザクから奪ったのは俺だ)
 スザクが抜いた刃の、行き着く先。
 自身さえもが『刃』となった、『俺』としてのスザクが殺す、最後の――。
「抜き身の剣には鞘が必要だ。スザク」
「――!」
 その言葉を聞くと同時に、スザクはぱっと見では解らない程度にピクリと肩を震わせ、そのまま低く項垂れた。
(撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ)
 だから――。
「悪の皇帝、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが、お前の行き着くべき鞘になる。この俺が、『枢木スザク』としてのお前が流す最後の血となるんだ」
「…………」
「この意味は、解るな?」
 スザクは顔を伏せたまま動かない。
 くせのある柔らかそうな前髪の下から、強張った口元が覗いている。表情こそ窺い知れないものの、僅かに見え隠れするスザクの顔色は紙のように白かった。
 スザクはゼロにならねばならない。ルルーシュが悪を為し、討たれねばならぬのと同じように。
 ゼロは、平和の象徴。英雄。
 ……ならば、スザクが新たなるゼロとなる前に、為すべきことは――。
 二人の思考が重なった。
 俯いていたスザクが顔を上げ、決然とした口調で呟く。
「君を殺すと同時に『俺』も死ぬ。君と共に、世界の礎に」
「そうだ」
「そして『無』となり、『ゼロ』になる」
「ああ……。人々が明日を迎えるために」
 そして何より、進み続ける時の針を、止めないために。
 通奏低音のように、今、二人の間でレクイエムが鳴り響き始める。
 ルルーシュという名の鞘に、自身が刃となったスザク――『俺』を納める。
 終わらせる。
 それこそが、『俺』としての『枢木スザク』を殺すということ……。
 ルルーシュが決意を促すようにスザクを見遣れば、真摯な視線が返された。
 スザクが被り続けてきた『僕』という仮面の、本当の名前。――それは『贖罪』であり、『優しさ』だ。
 正に、世界を救済する、新たなゼロとしては相応しい。
「出来るか、スザク」
 語り終えたルルーシュが尋ねると、スザクは少しだけルルーシュを見つめてから、頷いた。
 暫し間が空き、スザクの肩が次第に力無く落ちてゆく。
 視線が下がり、頭も徐々に下げられ、両膝の上で固められていた拳には力がこもり――そして、時折小さく震えているさまを、ルルーシュはじっと見つめていた。
 ……やがて、スザクはゆっくりと顔を上げ、ルルーシュを見る。
(『甘えるな』)
 唐突に、一年前の記憶が蘇った。
 向けられた拳銃と共に、突き付けられた言葉を思い出す。
(スザク)
 尊いものを喪失したが故に罅割れ、壊された仮面。
 抱えねばならなくなった、心の欠落。
(そんな顔をするな、スザク)
 深い、あまりにも深いかなしみ。
 負担ばかりを強いたがために、ぼろぼろにしてしまった。
 ――この自分、ルルーシュが。
(俺は、)
 まるで、打ち捨てられた子犬のような。……泣き出す寸前の、子供のような。
(俺はもう、お前には甘えない)
 正面から向き直ってきたスザクの顔は、ルルーシュがゼロだと知った時――嘗てブラックリベリオンで撃ち合った時、割れた仮面の中からルルーシュの素顔が顕になった瞬間の表情と同じだった。
 流れる沈黙の音。完全なる無音。
 ルルーシュの鼓膜がきん、と耳障りな音を立てる。
 一瞬のようにも、永遠のようにも感じられる静寂が二人を包み込み、スザクとルルーシュはその間、お互い無言で見つめ合っていた。
 暫くしてから、スザクがようやく口を開く。
「覚悟は出来てたよ。――でも」
「…………」
「俺には君しかいない」
 スザクの瞳が訴えていた。
 その君が、また俺から君を奪うのか、と。
「八年前も、一年前も、君はちっとも守らせてくれなかった。それが『僕』の存在意義だったのに、拒むばかりで、強がるばかりで、全然大人しくしていてくれなかった。君は王様なんだから、戦うことなんかせずに守られていれば良かったのに。もう、誰一人失いたくなかったから戦ってきたのに。その為に、軍にも入ったのに」
「…………」
「それなのに、俺はとうとう、君まで喪わなければならなくなったのか」
「…………」
「ルルーシュ」
「……うん?」
「……君のせいだ」
 一言紡ぐ間でさえ、瞬き一つしようとしなかったスザクの顔が、不意にくしゃりと歪んだ。
 みるみるうちに大粒の涙が瞳に溜まり、頬に幾筋もの軌跡を描いていく。
(スザク)
 さめざめと涙を流すスザクの顔を、ルルーシュは無表情で見つめていた。
 ただ、ほんの微かに眉が寄る。
(泣くな。スザク)
 スザクがこんな風に泣くのを見るのは、ブラックリベリオンの時以来だ。
 憎しみの影に隠して、今まで凍り付かせていたのだろう。スザクの内側でずっと押し殺され続けてきた感情が、堰を切って一気に溢れ出しているのが解った。
 何年分の重みなのだろう。
 何年分の想いなのだろう。この涙は。
 それはきっと、八年分だけでは到底足りないほどの、もっと大きな――。
 昂ぶる感情ごと、スザクは涙でさえも、漏れる嗚咽と共に飲み込んでしまうつもりなのだろう。唇を真一文字に引き結んだスザクが息を詰まらせている。
 ぐっと、喉の奥が鳴る音が部屋に響いた。
「君は勝手だよ。酷すぎる。とことん俺を裏切って、傷付けて、怒らせて、憎ませてばかりで……。償いなんか、させたくなかった。それは『僕』の十字架だった。俺が、やるべきことだったんだ。それだけは――」
 肩を大きく震わせながら、顔を伏せたスザクが慟哭する。
 きつく握り締められて皺の寄ったズボンの上に、ぽとり、ぽとりと雫が滴り、重なり合った小さな丸い円は、やがて膝を覆う布地の面をワントーン濃い色へと変えていった。
 力任せに自分の膝を掴んでいるスザクの手元を見つめながら、ルルーシュはスザクの言葉に黙って耳を傾けていた。……涙の、零れ落ちる音にさえも。
 返す言葉などある筈も無い。全て解っていたことだ。
 顎を引いたルルーシュは肘掛に乗せていた両腕を胸の前で組んでから、気だるく二、三度ほど瞬いた。
 長く繊細な睫の先が、白磁の如く滑らかな頬にうっすらと影を落としている。
 フラッシュバックしたのは、いつかスザクに屋上で言われた台詞だった。
『僕を安心させるなんて、君には一生かかったって無理だ』
 内心そうかもしれないと思いながらも、ルルーシュの表情は終ぞ動かない。心は驚くほど平坦で、夜明け前の海のように静まり返っている。
 それは、己の進むべき道を定めたルルーシュ自身の決意に、全くぶれが無い証拠でもあった。
 ――あるいは、一ヶ月ほど前のルルーシュであれば、自問の一つくらいはしたのかもしれない。
 けれど、後悔など所詮は自己憐憫に浸るための手段。取り戻せない過去を惜しんでは嘆き、過ちを悔いては立ち止まってみたところで、結局たどり着く答えなどいつもと変わりはしないのだ。
(今まで、幾度も繰り返してきたことだ)
 ルルーシュは既に熟知していた。有り得ないifについて考え、捕らわれ続けることの無意味さを。
 一人きりになってしまった三人のうちの二人は、これから悪を為して互いに悲しく笑い合い、いずれこの世から去りゆく運命。
 最後の一人を、永遠という地獄に置き去りにして。
 例え、世界中の生きとし生ける者全てに謗られ、口さがなく罵られようとも、この生き様を愚かだと笑っていいのはルルーシュだけだ。
 だから「無為だ」と叫ぶ代わりにルルーシュが閉じた口の中で転がしたのは、仁義王道について説いた、ある思想家の言葉だった。
(善を責むるは朋友の道なり、か……)
『善の道を行うよう勧めるのは、友人としての大切な務めである』という故事。
『王道』とは、有徳の君主が仁義に基づいて国を治めるさま。……だが、その対義語は『覇道』。武力や権謀をもって人々を支配すること。
 これから、ルルーシュがやろうとしていることだ。
(スザク……。お前は、俺の全てを知る朋だ)
『朋友』とは、自分のことをよく知ってくれている友人のこと。――生涯、枢木スザク、只一人。
(過去はもう、変えられないから)
 胸の奥で一言言い置いてから、ルルーシュは切り出した。
「謝らないぞ。俺は」
 王様から動かないと、部下が付いて来ないだろ? と、今まで何度も口にしてきた台詞を持ち出したルルーシュが滔々と嘯く。
 これぞ、諧謔の極みだとさえ思いながら。
「スザク。お前の背負う十字架を、全て俺に寄越せ」
 途端、ねめつけるような角度で見上げてきたスザクは、閉じ込めた想いの全てを堪えた厳しい表情で言った。
「それが君の望みだっていうのか」
「そうだ」
 さらりと肯定してみせるルルーシュに対しても、スザクの顔つきは変わらない。
(もう気付いてるんだろ? お前も)
 ――これが、罪と罰の確認なのだと。
「俺たちには退路など既に無いんだよ、スザク。それに、お前の十字架の一部は、元々俺のものだろう?」
「違う」
「違わない」
 わからない奴だなと思いながら、目を閉じたルルーシュは緩く首を振った。
 スザクは相変わらず、頑なすぎるほどに頑固で強情だ。
 ルルーシュは目を閉じたまま、
「俺は、自ら世界を欲して盤上に上がった。だから、ギアスを手に入れ、反逆を始めた時から、いずれこうなることは決まっていたんだ。お前も言っただろ。『こうなってしまった以上、全ての責任はとってもらう。償ってもらう』と……。俺は、生まれた時からずっと死んでいた。生きてるって嘘を吐いて……。経歴も、名前も、全てが嘘。偽りだらけの世界で、諦めの中で、ただ死んだように生きているだけだった。だから、このまま何も為さずに撃たれて死ぬのを待つか、それとも、喪われた命に報いるためにも、この俺自身の命に価値を与えることを選ぶか。それを決めるのが、俺の最後の仕事だ」
 言い切った後、けぶるような睫に縁取られた瞳を緩やかに開いたルルーシュが、「そうだろう?」と首を傾げてみせながらスザクに問いかけた。
 スザクの返事を待たずに、ルルーシュは話し続ける。
「それこそが、今の俺に許される、たった一つの選択だ。そして、俺はこの道を選ぶ。その決意は変わらない。たとえ、引き止めてくる相手がスザク……お前であってもだ」
 ありったけの静けさを侍らせて、ルルーシュは穏やかに語りかけた。
 寂しげに細められたスザクの瞳が凪いでいく。
 儚げでありながらも、力強い意思の秘められたルルーシュの表情は、何故かこの上なく安らかだった。
「昔のお前に泣き落としが通じなかったのと同じ理由だよ。そう言えば解るだろ?」
 ――今の俺の気持ちも、今の俺の想いですらも、全て。
 殊更優しい声音を選ぶのも、本当は卑怯なのだろう。スザクには、こんな風に口に出さない心の声ですら筒抜けなのだろうかと思いながら、ルルーシュは窓辺の方へと顔を背けた。
「泣き落とそうとしたことなんか、無かったくせに」
 即座に反論され、ルルーシュは「そうだな」と答えながら淡く微笑む。
 嘘泣きの一つさえ満足に出来やしなかった。
 ……本当は、いつだって泣いてしまいたかったのかもしれないけれど。
「ゼロ・レクイエムは、俺たちが互いを許し合う為の儀式でもある」
 と、スザクに話しかけながら、ルルーシュはぼんやり窓の外を眺めていた。
 エリア11。スザクの故郷。日本は、今頃どんな天気なのだろうか。
 川の向こう側に広がる遠景からガラスに映った自分の顔へと視点を移し変えたルルーシュは、つらつらと詮無きことを考えた。
 鈴の音にも似て、いつも凛としていた優しいナナリーの声。
 目を閉じるだけで蘇る。可憐な容姿も、愛らしい笑顔も……。
 思い出すなり見事に曇った自分の顔から視線を逸らしたルルーシュは、ベッドに座るスザクの方へと、もう一度振り返った。
「俺たちの因縁に対するけじめ。そして、犯してきた全ての罪に対する決着でもある。お前だって解ってる筈だろう。この、けじめという言葉の意味が」
 誰あろう、黄昏の間で、スザク自身が口にした言葉なのだから。
 背を屈めてベッドに座っているスザクもそれに気付いたのだろう。膝の間に垂らされた腕がぎこちなく動き、ルルーシュにちらりと視線を送ってくる。
(なんて顔してるんだ。お前は)
 スザクの顔は、暗いとも静かとも寂しいとも言い表し難い複雑な表情だった。――まるで、半分死んだかのような。
 尤も、この先を思えば無理からぬことではある。自分の一部――それが半分なのかそれ以上なのかは確かめようが無かったとしても――本当に、逝くことになるのだから。
(人一人殺すのに、銃など不要だ)
 無論、刃物も。
 スザクから目を逸らしたルルーシュは思った。
 本当に厄介な人の死に方というのは、心の死のことを指しているのかもしれないと。
 これから先も続く、スザクの地獄。その身に肉体の死が訪れるまで。
(だからこその償いだ)
 ……ゼロの仮面はきっと、このスザクの顔を上手く覆い隠してくれることだろう。
「死なない積み重ねを生きるとは言わない。それは、只の経験だ。だからこそ、俺が生きたと証明するために、何より、犠牲になってきた大勢の命にも生まれてきた意味があったのだと証明するために、俺はこの計画を実行すると心に決めたんだ」
 既にとどめは刺した。あとは仕上げだけだ。
 そう言わんばかりにルルーシュは告げた。
 思えば、ずいぶん逆説的な発想になったものだ。存在価値、存在意義。口にするとあまりにも陳腐で笑えてさえくる。
 だが、それでもルルーシュにとっては必要だった。生きるための理由が。
 もっとも、その理由を見出す術ですら完全に喪失したからこそ、自らの死によって己の生きた証を創り出す他なくなった訳だが。
(同病相哀れむという訳ではないが……まさしくおあつらえ向きというやつだな。俺たち二人、いや、三人には)
 同じ境地に立つスザクに、この心理を理解出来ない訳がない。
 ルルーシュがそう思ってスザクを見れば、
「君は相変わらず、口が上手い」
 今までずっと沈黙し続けていたスザクが、諦めたようにふっと笑いながら呟いた。
 それは笑いではなく、嘆息であったのかもしれない。漏らされた吐息とは裏腹に、スザクには表情が無かった。
 ルルーシュが「そうだな」と返せば、そこにスザクの平坦な声が重なってくる。
「実際に口にした言葉を逆手に取れば、俺が何も言えなくなるってことを知ってるんだろう」
「ああ。その通りだ」
「……そういうの、何ていうか知ってるか?」
「何ていうんだ?」
「『人の褌で相撲を取る』っていうんだよ」
 ぶっきらぼうな口調ながらも、スザクの声は柔らかかった。
(言ってくれるじゃないか)
 思わず「酷いな」と呟きながら、ルルーシュも肩を揺らしてふっと笑った。
「俺は、世界を壊し、世界を創る男だ。だから、壊す覚悟が必要だ。――世界だけではなく、自分自身ですらも」
「君は相変わらず尊大だ」
「そうか?」
「そうだよ」
 スザクはやはり理解している。ルルーシュは確信しながら満足げな笑みを口元に乗せた。
 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという存在を創り上げ、完成させるためにも……。とはいえ、当然、この目的は今のルルーシュにとって最優先事項にはなり得ない。
 しかし、全ての条件をクリア出来る手があるというのなら、その手を打つのは必定。そして、計画は完璧であるに越したことはないというのも、また必定なのだ。
(悪魔とは本来、欲深いものだ)
 C.C.にも言ったことのある台詞だと、頭に浮かべてから思い出す。
 ルルーシュは「いや」と独白し、首を振ってから、
「生きる理由を失った者だからこそ、壊すことによって価値を生み出すことが新たなる創造に繋がる」
「……それは、世界のために?」
「そうだ」
 振り返ってスザクを見てみれば、既に涙は止まっていても、まだ少し睫が濡れていた。
「スザク」
 ルルーシュは足を組み替えてから、軽く吐息した。
「お前には俺と同じく、地獄への道行きに来てもらう。世界の敵となり、憎悪を一身に背負う悪となって……。俺たち二人が力を合わせて出来なかったことなど、何も無いだろう?――だから、もう一度だけ、この俺に力を貸してくれ」
 ルルーシュは決めた。
 ――スザクにはもう、何一つとして背負わせはしない。
(お前の罪は、全てこの俺が持って逝く)
『俺』としての『枢木スザク』ごと、人殺しとしての業ですら、全て。
 ルルーシュは椅子の背に凭れ掛かったまま、ゆるりと瞼を閉じた。
「……恐らく、これが俺からお前への、最後の頼みとなるだろう」
 すると、それまで一切口を挟まずにルルーシュの言葉を聞いていたスザクは、聞き終えた刹那、明瞭でありながらも辛うじて聞き取れる程度の小さな声で「引き受けた」と口にしてから、静かにベッドを立った。
 歩み寄ってきたスザクをルルーシュが見上げれば、目の前にすっと右手が伸びてくる。
「握手だ。ルルーシュ」
「共犯者としての?」
「そうだよ」
 ルルーシュも椅子から立ち上がり、差し出されたスザクの手に自分の掌を重ねた。
「約束だ」
「ああ」
「今度こそ、破るな」
「……勿論だ」
 これが、最後の我侭だ。
 そう思って触れ合ったスザクの手は、相変わらず体温が高くて節くれだっている。緩く握ってみれば、より強い力でぎゅっと握り返された。
 ルルーシュは、スザクと手を重ね合わせながら安堵した。
 ――これでようやく、スザクと嘘を吐かずに向き合える。傷付けなくて済むようになる、と。
 ルルーシュは、心の中でスザクに語りかける。……決して、応えは返らないと知りながら。

 ……なあ、スザク。
 愛も世界の真実であるならば、それもまた、無慈悲で残酷で、理不尽な側面を持っているのかもしれないな。
 好きで、欲しくて。
 どうしても手に入れたくて堪らなかった。――いつだって。

 そう。
 愛とは、どこまでも利己的で、勝手なものだ。


 ――お前の、俺への愛がそうであったのと同じように。

プロフ

夕希(ユキ)

Author:夕希(ユキ)
取扱:小説・イラスト・漫画

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