月光(ゼロレク前)
月夜の窓際に佇む、君の顔が見えない。
ほの白いその横顔が、今どんな表情を浮かべているのか、僕の目には、はっきりと映らない。
でも、それでいい。
たとえ、言葉や目に見えるものがどんな形を結ぼうとも、変わらないものが、確かなものだけは、もう僕の中にあるから。
そして、君の中にも、同じものがあると知っている。
それだけでいいんだ。
僕も、君も。
最早語り合うべき場所など疾うに越えてきた。
こんな所まで、来てしまったね。
未だこの世にありながら、ここは彼岸なのかな。
宇宙の先、魂の果て。
きっと、そんな場所に、今の僕等はいる。
不意に、こちらへと緩く振り返った君が、言った。
他人、知人、友人。
親友。
唯一の、理解者。
友愛。
慕情。
恋愛。
そして、愛。
やがては、愛憎。
「ならば、その先は、なんて言えばいいんだろうな?」
僕は、彼に対する万感の想いを、渾身の力をもって押し込める。
「馬鹿だな。ルルーシュ」
答えられる訳、ないじゃないか。
今は、まだ。
君の命が世界に捧げられるその瞬間まで、僕は、何も、何一つ、君にかけてやれる言葉など持てないのに。
ふと、空気の揺れる音がして、彼は窓外の月を見上げた。
そして、謎掛けのようなその言葉は、君の笑顔と共に、闇に溶けて、消えた。
ほの白いその横顔が、今どんな表情を浮かべているのか、僕の目には、はっきりと映らない。
でも、それでいい。
たとえ、言葉や目に見えるものがどんな形を結ぼうとも、変わらないものが、確かなものだけは、もう僕の中にあるから。
そして、君の中にも、同じものがあると知っている。
それだけでいいんだ。
僕も、君も。
最早語り合うべき場所など疾うに越えてきた。
こんな所まで、来てしまったね。
未だこの世にありながら、ここは彼岸なのかな。
宇宙の先、魂の果て。
きっと、そんな場所に、今の僕等はいる。
不意に、こちらへと緩く振り返った君が、言った。
他人、知人、友人。
親友。
唯一の、理解者。
友愛。
慕情。
恋愛。
そして、愛。
やがては、愛憎。
「ならば、その先は、なんて言えばいいんだろうな?」
僕は、彼に対する万感の想いを、渾身の力をもって押し込める。
「馬鹿だな。ルルーシュ」
答えられる訳、ないじゃないか。
今は、まだ。
君の命が世界に捧げられるその瞬間まで、僕は、何も、何一つ、君にかけてやれる言葉など持てないのに。
ふと、空気の揺れる音がして、彼は窓外の月を見上げた。
そして、謎掛けのようなその言葉は、君の笑顔と共に、闇に溶けて、消えた。