贈る言葉 ~一分前の独白~ (ゼロレク後)
カレンダーの日付を気にし始めたのは一週間も前のことだ。
仮面越しに見る世界はいつも薄暗くて、でも、日に日に暖かく彩りを増していっているように思える。
僕と君が夢見た世界。欲した世界。他人に優しくなれる世界がそこにあるのに、僕はこうやって僕の目の前に居ない君へと話しかけ続けている。
ねえルルーシュ、今日は君の誕生日。君がこの世に生まれた日だよ。
それなのに僕は、誕生日おめでとうっていう簡単な一言を君に言えないでいる。どうしてだろうね? その一言が、どうしても出てこないんだ。
言葉に気持ちを込めるって難しいね。そうやって君に話しかけるように心の中で独白を繰り返しながら、一日、また一日と日付が変わっていく度に君の人生を思う。
悔いてはいないよ、勿論。君は君の選んだ道を進み、僕も同じく自分の選んだ道を進んできた。
……それに、僕の罪は、全部君が持って行ったから。
仮面を外した僕は誰でもない只の『僕』だ。仮面を被っている間は、僕は君とばかり話しているけど。
『いざという時に黙り込むのはお前の悪い癖だな』
そんな君の言葉を思い出す。
ああ、あと十五分で君の誕生日が終わってしまう。日付が変わってしまう。それなのに言えない。言ってもいいのか解らない。ブレーキがかかったように声が出てこないんだ。どうしたらいい?
君は、喜んでくれるかな。そんな訳ないか。それとも、困った顔をして笑うんだろうか?
そう思うたびに、僕は何も言えなくなる。
さあ、五分前。
硬直した思考の中で思う。さっきから何回時計を見ただろう?
一分前。
ただ涙が零れてしまって、僕は詰まる息の中でようやく一言呟いた。
「誕生日おめでとう、ルルーシュ」
******
一分前にUPしてみたよ。
仮面越しに見る世界はいつも薄暗くて、でも、日に日に暖かく彩りを増していっているように思える。
僕と君が夢見た世界。欲した世界。他人に優しくなれる世界がそこにあるのに、僕はこうやって僕の目の前に居ない君へと話しかけ続けている。
ねえルルーシュ、今日は君の誕生日。君がこの世に生まれた日だよ。
それなのに僕は、誕生日おめでとうっていう簡単な一言を君に言えないでいる。どうしてだろうね? その一言が、どうしても出てこないんだ。
言葉に気持ちを込めるって難しいね。そうやって君に話しかけるように心の中で独白を繰り返しながら、一日、また一日と日付が変わっていく度に君の人生を思う。
悔いてはいないよ、勿論。君は君の選んだ道を進み、僕も同じく自分の選んだ道を進んできた。
……それに、僕の罪は、全部君が持って行ったから。
仮面を外した僕は誰でもない只の『僕』だ。仮面を被っている間は、僕は君とばかり話しているけど。
『いざという時に黙り込むのはお前の悪い癖だな』
そんな君の言葉を思い出す。
ああ、あと十五分で君の誕生日が終わってしまう。日付が変わってしまう。それなのに言えない。言ってもいいのか解らない。ブレーキがかかったように声が出てこないんだ。どうしたらいい?
君は、喜んでくれるかな。そんな訳ないか。それとも、困った顔をして笑うんだろうか?
そう思うたびに、僕は何も言えなくなる。
さあ、五分前。
硬直した思考の中で思う。さっきから何回時計を見ただろう?
一分前。
ただ涙が零れてしまって、僕は詰まる息の中でようやく一言呟いた。
「誕生日おめでとう、ルルーシュ」
******
一分前にUPしてみたよ。