【R18】 処女厨枢木×淫乱処女ルルーシュ(♀)





★あてんしょん★
ずみちゃんからのリクエストです。(遅くなってもうしわけない!)
しかも盛大に趣味に走ってしまいました。エロ<露出って感じかもしれません。
るるーしゅ君がルル子ちゃんになっております。口調はそのままです。
枢木さんがアレなのは当サークルの仕様なのかもしれない。



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 仲睦まじく恋人繋ぎで歩くカップル。きっとそう見えているはずだ、とルルーシュは信じたかった。電車に乗っていた時から、周囲の視線がひどく気に掛かる。着ているのが男性用の、サイズの合わないロングコートだからだろうか。只のデートにしては妙な服装だが、通行人の誰もが気付かない。その下がまさか全裸で、しかも、はしたなく股を濡らして歩いているだなんて。
 隣にいる男、枢木スザクが全ての元凶にもかかわらず、ルルーシュは今、一人きりではないことをほんの少し有難く思った。もちろん礼を言ってやる義理はない。遡れば中学生の頃、当時高校生の枢木が月極で借りていた屋外コンテナの中でルルーシュは『女』として目覚めた。大変なことをしてしまったのではないか、そう思ったのは後になってからで、仄かに寄せていた好意が思春期特有の感情だったとは知りもせず、また、相手がいわゆる『悪い男』だということもルルーシュはよく解っていなかった。
 最初は興味と好奇心、『こんなもの怖くもなんともない』という無謀な意地。いつかやめなければ。でも、まだ最後まで明け渡した訳でもない――。
 狭い倉庫内での悪戯は、二人の間に秘密を作った。後ろ暗い関係を暴露される不安はもちろん付きまとったが、ルルーシュにとって一番許せないのは枢木に負けることだ。
 『怖いの、ルルーシュ?』と枢木はいつも尋ねる、ルルーシュが首を縦に振ることなどないと知りながら。おかげで高校生になってからのルルーシュは、制服のスカートを自分でめくることと、襲ってくる羞恥心や後ろめたさを忍んで足を開き、気持ちいい場所を吸われるとどんなに甘く腰が疼くのかを覚えてしまった。教え込んだのは枢木で、クリトリス以上に気持ちいい場所があることを今のルルーシュは知っている。けれど、枢木がとりわけこだわったのはルルーシュが処女であることで、先に貫かれたのは膣ではなく、アナルの方だった。
 以来、ルルーシュは誘われるとパブロフの犬のように涎を垂らすようになった。濡らすのは口元ではなく、股の間だ。本当はもう、指じゃないものを挿れて欲しい。口に出せない浅ましい欲望を、ルルーシュは未だに持て余している。
「ルルーシュ、疲れた?」
 立ち止まって枢木が尋ねる。街中には、平日の昼間とはいえ人の姿があった。白々しい枢木の笑顔はもう見慣れたものだったが、この笑みに騙された過去がある以上、ルルーシュも同じように騙される他の女たちのことを笑えない。
「疲れた、と言ったら休ませてくれるのか?」
 変態に付き合わされる身にもなって欲しいよな。内心、そう思いながらルルーシュは枢木の肩に頬を寄せ、嫣然と微笑み返した。
「誰のこと?」
「お前だろ」
「酷いな、変態なのは君だろ?」
「どの口が言うんだ、この俺に痴女みたいな恰好させておいて」
 まるで他人事のように痴女、と枢木が口の中で呟く。非難する割に、ルルーシュの口ぶりは楽しげだった。
「どこからどう見てもカップルじゃないか。お水の人の朝帰りにも見えるよ」
「そんな訳あるか」
 フォローにならないフォローと共に、枢木はルルーシュの肩を抱き寄せた。
「じゃあ休憩する? 君にプレゼントもあるし」
 ひっそりと囁き、ぶら下げていた紙袋を掲げてみせる。ルルーシュは繋いでいた手に腕を絡め、答えの代わりに豊満な胸を押し付けた。
 しばらく歩いた先には歓楽街がある。ビジネスビルが立ち並ぶ通りの裏側、飲み屋がずらりと軒を連ねるそこでは、会社帰りのサラリーマンや遊び人たちが夜な夜な飲み歩くのだろう。ほとんど別世界ともいえる通りの角に、二人がよく使うホテルがあった。まだ点灯していないネオンサインに、青い大きな文字で『空室』と書かれている。馴染みの店の暖簾をくぐる気分で入口を抜け、二人はカップル然として部屋を選んだ。
 フロントはがらんとしていて、人影もない。代わりに小さなウェルカムボードが置かれ、有線から流行りの音楽が静かに流れている。一歩踏み込んだ途端、もう夜だ。時の淀んだ空気はルルーシュに、密かな緊張と昂揚とをもたらす。
 受付が済むのを待つ間、ルルーシュはフロントの奥、壁や天井からぶら下げられたハロウィンの装飾を眺めていた。業務用の卸店で購入したものか、季節にふさわしく、紫色とオレンジ色のフィルムで作られた鎖やモビールが照明に反射し、メタリックな輝きを放っている。連想するのは小、中学校の学芸会だ。賑やかなその中に鎮座し、煌々と目を光らせているカボチャの置物が、二人の姿を黙って見守っていた。
 エレベーターがゆっくり動きだすと、互いの間に沈黙が生まれた。枢木は階数ボタンの前に立ち、奥に乗り込んだルルーシュは壁にもたれて余所を向いていた。ふと、枢木が背を向けたまま笑っていることに気付く。単なる気配に過ぎないが、浮足立っている自覚のあるルルーシュには解った。馬鹿にされたと感じ、肘で背中を小突いてやると、ちらりと振り返ってきた枢木は誤魔化すように軽く眉を上げ、口元に浮かべていた笑みをかき消した。
「コート開いて。部屋までその恰好で歩いてよ」
 無人の廊下に出るなり枢木は言った。ルルーシュの背後に回り込み、襟から手を差し込んで胸を揉みしだく。監視カメラに映っていようと頓着しない。むしろ、見せつけようと――しかも楽しんでいるふうで、たわわに実った両の乳房を交互に揺さぶった。
「あ――」
 やんわりと揉みしだかれ、ルルーシュがよろける。指先が乳首の周りを一巡するごとに、ルルーシュの割れ目は新たな汁を垂れ流していた。コートの他に唯一、身に着けていたのは太腿までのストッキングで、内腿のレースに愛液がだんだん染みていく。枢木は手先の器用な男で、愛撫は常に丹念だ。が、今日は気が急いているのか少々、雑だった。引っ張られたボタンの隙間から、白くきめ細やかな肌が覗く。いやらしく弾む乳房は枢木の手にも余るようで、指の股から柔肉が漏れ、コートの表面に薄く凹凸が浮き出ていた。
 匂い立つ色香にたまらず、枢木は腰まである黒髪に鼻先をうずめた。深く息を吸い込み、静かに吐き出す。ジーンズの下では勃起が張り詰めていて、ペニスに血が集まっていくのを抑えようとしていたのだ。
 ルルーシュは外にいた時から濡らしていた股を、コート越しにそっと押さえた。絡みつく枢木の腕を振り払い、思わせぶりに振り返る。そして、コートの前面ではなく、あえて襟元をつまみ、わざと胸を突き出しながら開いてみせた。
 生意気そうに、つんと立ち上がったピンク色の乳首、くびれたウエストに巻きつくガーターベルト。すらりと伸びた足は網目のストッキングに覆われ、同色のヒールも闇夜の黒で、爪先まで美しく飾っている。ルルーシュの恥丘はなめらかだった。本来ある筈の繁みは綺麗に処理され、逆三角形を描く両足の隙間で愛液がつやつやと濡れ光っている。ほの暗い照明の下、はっきりと見て取れた。
 極上の姿態を前に、枢木がごくりと喉を鳴らす。何度目にしても飽きることのない、手触りの良さまで知り尽くした女の身体。毎度、同じ強さで惹き付けられ、枢木は誘われるまま紙袋から真っ赤なローターを取り出した。
 コードの付いた卵型のそれを、ルルーシュの唇に近付ける。形良い唇がうっすらと開き、舌先でひと舐めしたのを見届けると、枢木はコントローラーをガーターベルトに差し込み、湿った先端をルルーシュのクリトリスにしっかりと押し当てた。ブウンとうなりを上げ、ローターが振動し始める。ルルーシュはうっとりした面持ちになり、陰核で味わう陶酔に嬉々として足を開いた。
「プレゼントは、これだけじゃないから」
 枢木がルルーシュの細腰に片腕を回す。ヒクつく割れ目に沿ってローターを行き来させ、ぎゅっと強く押し当ててから、慣らしも要らなさそうな蜜壺に全部押し込んだ。
「あぁっ……」
 ルルーシュが僅かに、残念そうな溜息をもらす。察した枢木は指を突っ込んでやりながら、掌の腹でクリトリスを愛撫した。嬉しげに尻をくねらせ、ルルーシュが掌に股をこすり付ける。そこで、枢木は含み笑いを漏らした。
「やらしいねルルーシュ」
「誰のせいだ……?」
 妖艶な流し目を送り、ルルーシュは枢木にしなだれかかった。好色そうで、今にも舌なめずりしそうな魔性の微笑み。快楽に溺れながらも強かさを失わず、「困った奴だ』と諌めるかのような。その笑い方が、枢木はたまらなく好きだった。
「すぐ入るのにきついよね、君のまんこ。ホントはこのまま突っ込みたいけど、ルルーシュまだ処女だもんな」
「馬鹿が」
 卑猥な物言いに感じ入り、ルルーシュの腰が無意識に揺れる。どこからともなくドアの開閉音が響き、二人は一瞬、足を止めた。
 談笑する声が近づいてくる。廊下の端には階段があり、エレベーターを使わなくても駐車場まで降りていけるようになっていた。――どうする? と互いに探り合う。廊下は直線状になっており、隠れられそうな場所などどこにもない。このホテルの構造を、二人は熟知していた。枢木が根本まで埋め込んだ指をぬくぬくと動かす。口角の上がったルルーシュの唇から、興奮し切った吐息が零れた。
 股に栓をされ、支えられながら歩く姿を、名も知らぬ誰かに見られてしまうかもしれない。露出が常のハプニングバーなどでは味わえないスリルだ。ルルーシュの乳房は期待に膨れ、はちきれんばかりだった。部屋は、廊下の真ん中くらいにある。辺りを憚ってはいるのだろうが、ときおり聞こえてくる話し声は更に近くなっていた。
 否応なく、緊張が高まっていく。しかし、枢木はルルーシュを煽る手を止めようとせず、ルルーシュもまた、はだけたままのコートを直そうとさえしない。腹の奥で蠢く玩具の感触に伸び上がり、指で突き上げられる動きに合わせて深く腰を沈めたり、小刻みに上下させたりしている。
 ちょうどドア前まで進み、枢木が鍵を取り出したところで、階段から一組の男女が下りてきた。視線が合い、女が短い叫び声を上げる。そして、慌てて男の影に隠れた。男の方は呆気にとられ、ぽかんと口を開けている。顔面に好奇の色を滲ませながらも、どこか見とれている様子でもあった。枢木がルルーシュの乳房を持ち上げ、自分で吸うよう促してみると、女は男を見上げてクスクスと笑った。露出を楽しむ変態カップルと観客。ルルーシュは、自分を見つめる知らない男に微笑みかけ、舌を出して自分の乳首を舐めてみせた。
 男がにやりと笑い、興味深そうな目配せを枢木に送る。枢木もルルーシュの下乳を持ち上げ、『可愛いだろう?』と問いかける代わりに、突っ込んだままの指を広げて陰部を見せてやった。
 ぱっくりと開いた割れ目から、ローターのコードが飛び出ている。女がぎょっとして口を覆い、男は少し照れたのか、にやけ顔を逸らした。互いに楽しんでいる、ということだけは心得たらしく、彼らは特に声を掛けてくるでもなく、肩を寄せ合ったまま階下へ降りて行った。
「何だよ、あいつ」
 言いながら枢木は鼻で笑った。男が「参った」という顔をしていたのが面白かったのかもしれない。美人を連れ歩くのは男の夢だ。ルルーシュほど桁外れの美人を、となれば、男女の関係になる特権を得た男は、同性からしても羨望の的なのだろう。
 少なからず、枢木は機嫌を良くした。ルルーシュはムッとし、爪先で蹴ってやろうとしたが、開錠した枢木がドアを開きがてら、横に避けるほうが僅かに早かった。
「足癖悪いよルルーシュ、もっと上品にしててくれなきゃ」
 枢木はドアを開けて待っていたが、もちろんレディーファーストの精神からではない。先にルルーシュが入ると、後ろから伸びてきた手がローターのダイヤルを最大まで回す。
「――ッ!」
 ルルーシュはビクンと反り返り、むき出しの乳房を大きく弾ませた。強すぎる振動が膣口を通り、ぬるりと外に飛び出てくる。枢木はコードごと引き抜いたローターをクリトリスに当て、舐める動作に似せて幾度も細かく動かした。
「っ、やめ、きつぃ!」
「お仕置き」
「だったら、避けるなよッ……!」
 無茶言うなよ、と枢木が呆れ声で言う。
「いくら僕でも、ヒールで蹴られたら痛いって。それともさ」
 前置きし、枢木はルルーシュをくの字になるよう屈ませた。耳元で囁く。
「余所見されるの、そんなに嫌だった?」
「調子に……乗るなッ!」
「乗るよ、たまには。ほんの贅沢」
 あまりに満足そうな言い方で、ルルーシュは言葉を詰まらせた。枢木は後ろから覆い被さり、ルルーシュの乳首を弄びながらしつこくローターを動かし続ける。強く押し当てられるたび、虫の羽音に似た耳障りな振動音がルルーシュの鼓膜に響いた。マンションでいえば玄関にあたる場所は、大人二人で居ると窮屈だ。ルルーシュは壁に両手をつき、過ぎる振動から逃れようと腰をよじっていたが、胸から離れた手は潤む襞の内側へとすかさず分け入ってくる。
「んっ……!」
 傍若無人な指に貫かれ、途端、ルルーシュの下肢全体に甘い痺れが走った。背を逸らし、壁の手すりでどうにか体重を支える。枢木は一度抜いた指を二本に増やし、手首ごと裏返して再び奥までねじ込んだ。
「ふぁ……っ!」
「見られて興奮したんだろ? でないと、こんなに濡れるはずないもんな」
 乳首をローターで撫でつけ、枢木は反った指の腹で膣の内壁を絶え間なくこすった。激しく出し入れするのではなく、子宮口の手前をゆっくり刺激してやる方が、よりルルーシュの性感が高まることを知っているのだ。
「ルルーシュさんに質問です。休憩三時間で、合計何回イけるでしょう?」
 ふざけた口調ながら、枢木は抜いた指でクリトリスを挟んで優しく撫でこすった。ルルーシュとしては物足りない。去っていった指が――溶け落ちそうな快楽と一体感が名残惜しく、陰唇の溝を指が掠めていくたびに蜜壺がきゅんきゅんと収縮する。すっかり体が出来上がったルルーシュに構わず、枢木は土手を引き上げて陰核の包皮を器用にめくった。ぷっくりと勃起したクリトリスが現われ、ローターを押し当てると足が突っ張る。瞬く間に、意識を根こそぎ奪われそうな快感がルルーシュを襲った。
「あぁらめ、らめ……、イく――!」
 小さく呻くと同時に、ルルーシュの背筋がぐんとしなった。一気に絶頂まで駆け上り、限界まで突っ張らせた両足が細かく痙攣する。
 もっと長々と、心地よい快楽を貪っていたかったという残念さと、『もしかすると枢木のことが好きなのかもしれない』という倒錯した疑惑が頭をよぎる。付き合っているのと限りなく近かろうと、実際は歪んだ関係でしかない。少なくとも、ルルーシュは今までに一度も、枢木からそれらしい台詞を聞かされたことはなかった。
「駄目だな、これじゃ。ご褒美にしかならない」
 ビクビクと痙攣し、恍惚の表情を浮かべるルルーシュの尻を枢木はぴしゃりと打った。ぴんと立ったままの乳首をつまみ、コリコリと指先で遊ばせ、紙袋の中へ無造作にローターを落とす。
 ルルーシュはぐったりと壁にもたれていた。全身うっすらと汗ばみ、息も上がっている。コートを脱ぎたいと思ったが、動くのがどうにも億劫だ。その間に枢木は部屋へ入り、テーブルに紙袋を置いてルルーシュに振り返った。コードのはみ出た袋には、他にも怪しげな玩具が幾つも入っている。さっき覗いた時、皮素材と思しきベルトのようなものが見えたのを、おぼろげな意識の中でルルーシュは思い出した。
 突然、薄暗く設定されていた部屋が明るくなり、見ると枢木が、ベッドに座って照明のダイヤルをいじっている。ルルーシュと違い、この男は明るい部屋が好きなのだ。非常に簡素な内装は、性行為のためだけに設えられたかのようで、置かれているのは室内の半分を占めるベッドと、脇にローテーブルとソファが一台ずつ。ルルーシュは急に居心地が悪くなり、こわばった顔を俯けてもじもじしていた。すると枢木が、紙袋から黒い服のようなものを取り出し、片手に携えて戻ってくる。
「面白いことしよっか」
「……?」
 ね、と枢木は笑いかけ、後ろに回り込んでルルーシュのコートをさりげなく脱がせた。金属質なカチャカチャとした音が背後から聞こえ、ベルト同士がぶつかり合う重たげな音もする。そのベルトと思しきものは、どうやら何本もありそうだった。ルルーシュが尋ねようとして振り返ると、枢木は床にコートを落とし、ルルーシュの両腕を持ち上げた。
「腕上げて、そのまま下ろさないで」
「いや、ちょっと待て」
 『拘束』という言葉が浮かび、せめて同意を得てからにしろとルルーシュは訴えたかったが、枢木は手早く皮で出来た幅の広い服を着せていく。
 ウエストに巻かれたものはコルセットだった。しかし、胸を覆うカップはついておらず、アンダーバストに沿って括り上げるベルトが二本ぶら下っているのみ。枢木は、幾つも付いた背中のホックを全部閉じ、前に回ってバツ印に交差した紐を結び直していた。コルセットと肌との間に指を差し込み、たるみを直す。そして、腋からぶら下がったベルトを取り、首まで引き上げて長さを測っていた。
 その表情は、仕事中に淡々と書類を片す時みたいで、ルルーシュは何も言えずにいた。正面からじっと見つめられ、自分の恰好に思い至って狼狽する。不審に感じて見つめ返すと、枢木は愉しげに目をそばめた。肩にかかった長い黒髪に視線を止め、丁寧な手つきで後ろへはらう。
 背に流れる毛束、首筋を掠めていく指先の感触に、ルルーシュの背筋がぞくりと震えた。枢木の視線は『舐めるような』という表現がぴったりで、身体の内側がカッと火照った気がルルーシュはした。情欲のこもった眼差しが首から胸元へ下りていき、隠すもののないルルーシュのバストを捉える。ひとしきり眺め、再び見上げ、枢木はルルーシュの頬を愛しげに撫でつけた。――満足そうに、にこっと笑う。その視線はゆっくりと、手元のベルトに戻っていった。
 ルルーシュは一連の仕草に見入ってしまい、枢木がバックルを動かし、穴の位置を調節している間じゅう、ただ硬直し続けているしかなかった。
「すごく綺麗だ、似合うよ」
「喜ぶとでも思うのか?」
「もっとヒラヒラしてる方がいい?」
「どうでもいい……」
「女の子だろ? ルルーシュは」
 小馬鹿にした響きで、首の裏にベルトを通しながら枢木がのんびりと口にする。女だからといって、さして遠慮などしないくせに。一応は尊重している、という言い方をされ、ルルーシュは気が抜ける思いだった。
 僅かに余裕を取り戻し、チクリとつつく。
「同性には厳しそうだよな、お前って。嫌われるぞ、そういうの」
「はいはい」
 枢木は適当に往なした。ルルーシュの首の後ろでパチ、パチ、とドットボタンが閉まる固めの音がする。ベルトを留め終えた枢木は辺りを見回し、「あれっ」と首を傾げた。
「あった」
 コルセットと付属のパーツが、落ちたままのコートの下敷きになっていたらしい。めくった中から現れたものも、太く丈夫そうな黒皮のベルトだった。枢木は二本あるうちの一本をルルーシュの腕に巻き、残りの一本をもう片腕に装着させた。枷の内側に、コルセットの側面にあるものと同じ金具が付いている。繋ぎ合わせて使うのだろうが、外側にも二箇所づつ付いていて、そちらの用途は謎だった。しかも、これで終わりかと思っていれば、まだ一枚あったようだ。ルルーシュが最後に渡されたものは、同じ素材で出来た細い紐のようなショーツだった。
「履いて」
 受け取ったそれを、ルルーシュはまじまじと眺めた。見れば見るほど変態的なデザインだ。前から見ればショーツだが、用を足す部分にぽっかりと穴が開いていて、フリンジによく似た紐で閉じられるようになっている。尻にも穴があり、紐はなかった。両サイドのチャックで着脱する作りのようだ。
「嫌いじゃないだろ、こういうの」
 ルルーシュがショーツを履き終えたところで、枢木が枷とコルセットの金具を繋ぎながら言う。皮が汗を吸い取り、ルルーシュの肌にしっくりと馴染んだ。上半身と下半身、両方をまんべんなく締め上げられ、ショーツの中で圧迫されたクリトリスが切なく疼きだす。
 枢木は見透かしたように目元を緩め、両腕を封じられたルルーシュをベッドへ引き連れて行った。
「警戒しないね」
「お前を?」
「うん」
 ルルーシュが瞬くと、枢木が俯く。
「必要ないってことなのかな」
 ほくそ笑むのを隠すためか、「ずいぶん信用されてるな」とひとりごち、枢木はベッドの縁に腰かけた。ルルーシュは数歩ほど離れた場所に立ち、顔に困惑を乗せている。
「何してるの、早くおいでよ」
 枢木はにこにこしながら手招きした。いかにも人好きしそうな笑顔だが、付き合いの長いルルーシュには解った、『良からぬことを企んでいるに違いない』と。
「どうも悪い予感がするな」
 けれども興味を惹かれ、下半身を疼かせながら寄っていく。枢木は、笑みを絶やさなかった。広げた膝の間にルルーシュを立たせ、枕元からビニールに包まれた灰色の物体を引っ張り出す。
 コード付きのそれは、ルルーシュも見たことのあるものだった。アダプターで使う電動マッサージャー――俗にいう『電マ』だ。
 前に来た時は置いていなかったから、ホテル側の新しいサービスだろうか。さすがにどう使うのかは、ルルーシュにだって解る。凝視するルルーシュを枢木は一瞥し、気付かれないようひっそりと肩を揺らした。
「気持ちいいよ、これ」
 と、ルルーシュの腕を引いて立ち上がる。
「使ったことでもあるのか?」
「他の子に?」
「そういう意味じゃない」
 枢木は「はっ」と噴き出し、笑み崩れて「さあ、どうだろう」と顔を背けた。睨むルルーシュを自分が座っていた所に横たえ、ヒールを脱ごうとするのを止めて片足ずつベッドに乗せる。そうして、テーブル上の紙袋を探り、また何か取り出して袋ごと持ってきた。
 枢木が取り出したものは、棒状に結わえられた真っ赤なロープだ。
「おい、まだ縛るのか」
「まあね」
 呆れてルルーシュは起き上がろうとしたが、腹筋に力が入らず倒れてしまった。枢木は横目でルルーシュを見下ろし、固く巻き付いた部分から順にほどいていく。絡まないよう縄の癖を直し、ときどき伸ばしながら、枢木はルルーシュの腕枷へと目を向けた。端を外側の金具に通し、一度縛ってから背中側に回し、もう一方の枷の金具にも同じように括り付ける。余った部分に幾つかの結び目を作り、ルルーシュに腕を伸ばさせて、輪にした箇所にルルーシュの手首を突っ込んだ。一体どういう仕組みなのか、間を引っ張ると両手首が締まる。枢木は妙に手馴れていて、動作に一切、無駄がない。
「……なあ」
 ここまで縛られてしまうと、もし刺激がきつすぎても逃れられないのではないか。あまりの手際のよさにルルーシュは呆然としていたが、間抜けなことに、今頃になってから気付いた――横にあるのは電マだ。
 枢木は答えず、鼻歌でも歌いだしそうな表情で、一本目よりも短めの縄を袋から取り出した。素早くほどいて真ん中で折り曲げ、さっき作った結び目の間に通す。分けた二本の長さが均等になるよう調節し、外側に折り曲げたルルーシュの膝裏に、縄の両端をくぐらせた。
「どう、痛くない?」
 枢木は縄を二、三周させ、あっという間にルルーシュの手足を固定し終えてしまった。
 M字に開脚させられたまま、ルルーシュが再度、不安げに「なあ」と呼びかける。
「さっきも思ったんだが――訊いていいか」
「何、改まって」
「こういうのが趣味なのか?」
「僕……?」
 枢木は「うーん」と考えるふりをし、「嫌だったらしないかな」と答えた。
「ちなみに、お前にとっての俺とは?」
 真顔で尋ねると瞠目し、ブハッと勢いよく噴き出す。
「散々エッチなことしといて今訊くの? すごいね」
 ベッド横に屈み、枢木は上目使いになってルルーシュに小首を傾げた。
「君こそ、僕が彼氏でいい訳?」
「そ、そういう意味じゃない!」
 お前の本心を言えというんだ、とルルーシュは続けるつもりだった。が、枢木は立ち上がって「まあまあ」と遮り、枕元から電マを取り上げて冷たい笑みを浮かべる。
「言っとくけど、僕は理想高いよ?」
 応えられるならね、と挑発する物言いだった。別に、ルルーシュから『付き合ってくれ』と頼んだ訳ではないのに、何故、枢木の理想に沿わねばという話になっているのか。
「彼女、イコール僕の玩具。『感じるだけのオブジェ』、それが僕の理想」
「は……?」
「ちょうどいいや、今から試そう? ふさわしいとは思ってるけど、なれるかどうかは別だろ?」
 ぽかんとしているルルーシュの頬に口付け、枢木は「今まで付き合ってきた人たちの中で、君が一番綺麗だ」と囁いた。
ぽん、ぽんと電マで手を叩きながら言う。
「最近、君、僕のことナメてるからさ、少し痛い目見せてやろうと思って。なのにホントに凄いよ、一緒にいると全く退屈しない」
 さっきも蹴っ飛ばそうとするし、などと物騒な一言を発し、枢木は電マのスイッチをオンにした。ローターとは比較にならない振動音が部屋中に響き渡り、その音に驚くルルーシュを枢木は面白そうに眺め、スイッチを付けたり切ったりしながら言う。
「コレね、今回一番のプレゼント。もしかしたら中毒になっちゃうかも」
 そうなってしまってもいいか、という口ぶりで、枢木は袋から取り出したものを電マの先端に被せた。『コレ』と枢木が言ったものは、専用のアタッチメントだ。前に枢木とコンテナの中にいた時、開いたまま置かれていた通販雑誌に載っていたのをルルーシュは見た。心密かに思ったものだ、『どれだけ気持ちがいいのだろう?』と。けれど、電マと専用アタッチメントはルルーシュの期待や想像など、はるかに超えてしまうほど強烈な刺激を齎した。
「ああっ――ンッ! あッ、アーーッ!」
 股間に宛がわれ、一分も経たないうちに悲鳴が上がる。
「逃げるなよルルーシュ、言っただろ? お仕置きだって」
 海老反りになってビクンビクンと痙攣し、ルルーシュはあっという間に昇天した。一度目の絶頂を迎え、簡単には終わらない地獄が始まる。
 ルルーシュは嫌々と首を振り、雁字搦めに拘束された四肢を突っ張らせた。電マの振動は弱に設定されており、強くされるかどうかは枢木の気分次第だ。快感も過ぎれば苦痛となる。ナカイキに慣らされた身体は、クリトリスだけの刺激ではイき過ぎてしまうのだ。腕の枷から両足へ伸びた縄はたわみこそすれ、千切れることはない。コルセットと一体化した両腕も、ルルーシュが力むたびに金具がギンと張り詰めるだけだ。
「気が済むまでイっていいよ、その後に映画へ行こう? アタッチメントはもう一つあるから」
 枢木は袋に突っ込んだ片腕を振り、袋を振り落して別のアタッチメントを取り出した。松ぼっくりか縦長のタワシにそっくりな、凸凹の付いた先端。そこから伸びるものは、細身のバイブによく似ている。ルルーシュはシーツを噛みしめて、叫ぶのを堪えていた。けれど、鼻にかかった嬌声が引きも切らず漏れ出てくる。
「んん、んぁ、アァッ……、くっ……!」
 動物めいた呻きと、涙混じりの喘ぎ。そこに電マの音が重なり、いくら堪えようとしても強制的に絶頂へ導かれる。シーツを噛む唇は離れてしまった。噛み続けていられない、叫びでもしない限り。
 閉じられない両足の間で、枢木は電マを押し当て続けた。絶頂寸前の快楽がせり上がり、急激に達する。波が引かないうちに、またすぐ次の絶頂がやって来るのだ。十回ほど連続でアクメを迎え、体力のないルルーシュはへとへとになった。アソコがじんじんと疼いていて、ぐっしょりと濡れた陰唇がショーツの穴でヒクついている。クリトリスにアタッチメントの先が掠るだけで、全身に鋭い電流が駆け抜けていった。
「や、もう、さわるな。もうやだ!」
 声を引きつらせ、ルルーシュは必死で訴えた。喘鳴と、イった直後特有の激しい動悸が鳴りやまない。苦し紛れの訴えを聞き付け、枢木は一旦スイッチを止めてやった。
「うーん、いいイきっぷり。でもやっぱりイきすぎちゃうね、もうちょっとペース落とした方がいいかな」
 ルルーシュを観察しているうちに、枢木は興奮してきたらしい。前立てをギンギンに張り詰めて、呼吸も若干、荒くなっている。
 発狂しそうになるほどイかされるなんて、ルルーシュはAVの中だけの話だと思っていた。なのに、電マを使えば出来てしまう。責めが止まって安心しているうちに、枢木がアタッチメントを交換していてゾッと血の気が下がった。
「やめ……っ!」
「何言ってるの。まだ十分も経ってないよ?」
「……!?」
 ルルーシュは上体をよじり、弾かれたように背後の時計に目を向けた。
「余所見しない。君が見たって、何時からだったのか解らないだろ?」
 言われてみれば、その通りだ。ルルーシュは渋々、ベッドのデジタル時計から視線を外した。向き直ると枢木は、既にアタッチメントを交換し終えている。
「ルルーシュはドエムだけど、苦しいのより気持ちいい方がいいんだもんな。なぁにコレ、グッショグショにアソコ濡らして」
「あっ……!」
 ぐいっと片腿を引っ張られ、足の付け根から開かされると、ショーツの穴からびしょ濡れになったピンク色の女性器が覗く。枢木はそこにズボズボと指を出し入れし、しとどに濡れそぼった陰唇に躊躇なく口づけた。垂れた愛液を、果実の汁を啜るかのごとく舐め取り、未だ痙攣し続けるクリトリスに唇をぴったりとくっ付ける。膨れ上がった粒を舌先で押し潰しながら、枢木は幾度もしつこく舐めこすった。
「んんふっ……ふあっ、あぁ。あぁ……っ!」
 ずぶずぶと入り込んできた指が、ルルーシュにとっては酷く熱く感じる。かと思えば、入れ替わってひんやりと冷たい感触のものが突然入り込んできた。
「ふ――っ!」
 尖った先端がGスポットに直撃し、最奥に到達すると、緩いカーブがポルチオを刺激する。バイブになっている所はかなり細く、柔らかくてぴったり嵌まるとまではいかない。が、侵入してきたアタッチメントは、ピンポイントで性感帯を狙う作りになっていた。ぐっと押し入ってきて、分厚く長いタワシのような部分が丁度よくクリトリスにフィットする。振動し始めると同時に、再びルルーシュの下肢から腰の内側へと、重くじっとりした快楽が立ち上ってきた。
「あああっ……!」
 と、ルルーシュが歓喜の声を上げる。先ほどの苦痛混じりの叫びとは違い、語尾にハートマークが付いていそうな甘い喘ぎだ。
「ルルーシュはやっぱり、中が大好きなんだ。気持ちいい?」
「あ、ああ、イイ……」
「そう、じゃあこれからは、ちゃんと言うこと聞く?」
「は――はい……」
 ビクビクと乳房を震わせて、ルルーシュが蕩けそうな笑みを浮かべる。全身が性器と化したかのような、素晴らしい悦楽がルルーシュの内部を満たした。
「こっちのアタッチメントならちょうどいいだろ。中と外でたっぷりイって、また露出をするよ。いいね?」
 ルルーシュは恍惚とし、言われるままこくこくと頷いた。電マの振動はローターやバイブのものに程近く、外側から内側へと振動が伝わるたびに、熟し切った内側から蝕まれていく。枢木は、挿入したままの電マを縄の余った部分で縛り上げ、深く刺さった状態にして固定した。開脚されている足を更にピンと開き、ルルーシュはM字どころか大股開きになっている。
「身体柔らかいよね」
 快楽に従順なその態勢を、枢木は褒めてやった。ジーンズのチャックを下ろし、下着も脱いで先走りの漏れたペニスを取り出す。限界まで勃起したそれをこすりながら、ベッドヘッドに置かれたローションの袋を手に取った。開封し、掌いっぱいに絞り出す。
「お尻使うよ」
 と、温めたローションをルルーシュのアナルに塗り付け、伸ばした中指をツプリと挿入する。
「あ――っ」
 ルルーシュはふわ、と口を半開きにし、ぺろりと唇を舐めた。
「おしり……」
「ん?」
「きもち、い――」
「うん、これからもっと良くなるよ」
 可愛いね、と心底からルルーシュを褒めちぎり、枢木は自分の勃起にもローションを塗り込めた。ベッドに上がってルルーシュの尻の下に枕を敷き、膝を折り曲げて足の間に座り込む。合間に指を二本に増やし、軽く慣らしてから、張り詰めたペニスをアナルに添えてずぶずぶと挿入した。
「あ。い、いいッ……」
「入ってくる?」
「うん……」
 ルルーシュは僅かに尻を持ち上げ、枢木は電マが抜けないよう押さえつつ、根本までペニスを埋め込んだ。プシッ! と音を立て、勢いよくルルーシュが潮を吹く。三点を同時に刺激され、挿れられただけで軽くイったようだ。
「今イっただろ」
「あ……っ。はぃ、はいって――」
「ホントにやらしいなぁ。中、トロットロ」
 動くよ、と囁き、枢木はルルーシュのアナルを好きなように使った。電マも支えるだけでなく細かく抽挿させ、何度も何度もルルーシュをイかせる。先ほどのように強烈な刺激ではないぶん、ルルーシュはだらしなく表情を弛ませて、愉悦に満ちた時を過ごした。
 たっぷりと種付けをし、枢木がアナルプラグで栓をする。枢木の望み通り、ルルーシュは『感じるだけのオブジェ』と化した。パープルとグリーンのジュエリーで光る銀のプラグは、三時間もの間イき続けるルルーシュの尻の穴に飾られ、ずっとキラキラと輝きを放っていた。


 電マ依存症になってしまうのも無理はない、とルルーシュは思う。縄だけを外され、全身ボンテージで拘束されたまま、ルルーシュは枢木に引き連れられて映画館へ向かった。震え続けるローターを膣に埋め込み、精液を注がれた尻にもアナルプラグを刺したままでだ。
 枢木は、途中途中でルルーシュのコートをめくり、クリトリスをマッサージしてやった。性感が落ちることのないよう、ローターを引っ張り出してこまめにイかせる。電マと専用アタッチメントでオブジェと化し、抜き去った後は中の刺激が足りなくて、ルルーシュはずっとヴァギナを疼かせていた。今日こそ――本当に今日こそ、枢木のペニスを収めて欲しい。もっと太いもので貫かれたい。どころか、膣の中にたっぷりと射精して欲しくてたまらなかった。枢木の、太いペニスでイかされたい。今日ならきっと痛くはない気がする。
 強い衝動に突き動かされ、ルルーシュはホテルで命じられた通り、指示されればどこででも露出をした。デパートの前で、恋人同士みたいに寄り添ってコートをめくる。弾ける乳房に通行人の視線が集中し、五秒待ってから二人でエントランスに駆け込んだ。エレベーターでショーツの穴を引っ張り、自分でアソコを広げて枢木に見てもらう。ガードマンも行き来する中で二、三回上り下りし、コートの裾をたくし上げたまま、ルルーシュは枢木の指を借り、ぎゅうぎゅう詰めのエレベーターの中で一回イった。
 トイレに寄り、アナルプラグを抜いてレストランで食事をし、デパートを出る。そこから先、二百メートルほど歩いたところに映画館があった。
 コートの前から手を差し入れ、歩きがてら、枢木が乳房の感触を楽しむ。腰を抱えられ、ルルーシュはドキドキしながら映画館に入っていった。
 館内は薄暗く、ポルノ劇場特有の饐えた匂いに満ちている。昭和の名残が感じられる見出しが其処ここに貼り出され、全然、関係ない歌舞伎や演歌歌手のポスターも掲示板に貼ってあった。
 チケットを購入し、枢木はトイレを探して一人で入っていった。しばらくし、出てきたところでルルーシュを物陰に引っ張り込み、コートを開かせて自分は屈んだ。ショーツの穴から垂れてきた愛液を指先ですくう。そして、ローターをルルーシュのクリトリスにこすり付けた。イきそうになったところを見計らい、枢木はクンニに切り替えた。
「んっ、ふっ。うん……っ」
 甘い声をまき散らすルルーシュを見上げ、「しっ」と口に人差し指を当てる。
「バレちゃうよ?」
 ルルーシュが黙るとクンニを再開し、枢木はイくまで舐り続けた。ルルーシュがか細い吐息を漏らし、達すると枢木が濡れた顎を拭っている。ポケットから小さく巻き付けたガムテープを取り出し、ローターをルルーシュのクリトリスに張り付けて、ダイヤルを回した。振動は一番弱くしておく。それをコートで隠した枢木にルルーシュは手を引かれ、上映場所に向かう途中でブザーが鳴った。
 ドアを開けるとCMが流れ始めていて、色の褪せたシートに並んで二人は腰かけた。前列に二名、中ほどに三名。まばらに座っている、その後ろに一人。ルルーシュ達を入れても、客は総勢八名しかいない。男女で座っているのは前列の二名のみ。あとは、全員男だった。ルルーシュは股を疼かせ、もじもじと太腿をこすり合わせた。枢木が、その様子を隣でちらりと窺う。
「落ち着きないね、どうしたの?」
 わざとらしい、とルルーシュは腹立たしくなった。ローターが貼り付けられたまま、さして内容のないポルノを見せられているのだ。黙って座っていられる筈がない。
 前の列に座っている男が一人、喋り声に気付いて振り返ってきた。ルルーシュの美貌に目を瞠り、枢木に嫉妬の眼差しを送る。枢木は素知らぬ顔で、ルルーシュのコートをばさりと開いた。前に向きかけていた男が驚き、にやにやと笑う。
 ルルーシュは抵抗しなかった。ポルノはつまらないし、アソコが疼いて仕方がない。好奇の視線に晒され、しかも嗾けているのは枢木だ。煽られるばかりでは面白くないと、ルルーシュは露出に対する抵抗感を失いかけていた。というより、持ち前の負けず嫌いが顔を出す。羞恥心は凄まじいものがあるが、ここは密室。この美貌に目を留めたというのなら、どうせならもっと良いものを見せてやる、とだんだん乗り気になってきた。
「見せてあげなよ。映画より面白いよ?」
 枢木が、貼り付けたローターでクリトリスを押しつぶす。ずっと微弱な振動を与えられていたルルーシュは、たちどころに絶頂まで上り詰めた。
「ンッ――!」
 鋭い快感に支配され、つい声が漏れる。枢木は黒皮のベルトで拘束されたルルーシュの身体を舐めるように見つめ、満足そうに前列の男を見遣った。――その客は一部始終を、しっかりと網膜に焼き付けたようだ。
 他の観客も、ずっと後ろを向いている男が何を見ているのか悟ったようだった。あちらこちらから、ちらほらと視線が飛んでくる。ルルーシュは枢木に流し目を送り、前で張り詰めているものをジーンズ越しにそっと触った。少し驚いたのか、枢木が両眉を跳ね上げる。日頃のルルーシュらしからぬ、積極的な行動だと思ったのだ。
「ねえルルーシュ、これから先も、ずっと処女でいたい?」
「…………」
 ルルーシュは答えず、枢木のジーンズから手を引っ込めた。急に恥ずかしくなったのだ、もっと恥ずかしい恰好をしているというのに。
 枢木はルルーシュのショーツに手を伸ばし、両サイドのチャックを片方だけ下ろした。前開きにめくり、ルルーシュに腰を上げさせて手前に引っ張り、折り畳んだショーツをポケットに仕舞い込む。
「ちゃんと言うこと聞けるようになったよね。ご褒美いる?」
 言い方にムッとしたが、ルルーシュは目を逸らして頷いた。そっと股を開き、枢木を見上げる。
「な、何とかしろ……」
 頼りない声で囁く。枢木は冷たい笑みを浮かべ、ルルーシュの中にいきなり三本指を突っ込んだ。
「ヒッ――!」
「『ごめんなさい』」
「は……?」
「僕の彼女になるなら素直に従って? チンポ欲しいだろ?」
「――ッ!」
「嘘ついてても解るよ、処女のくせに淫乱なんだから。君、濡れすぎ」
 蔑む物言いに『誰のせいだ』とルルーシュはなじりたくなったものの、悔しいけれどその通りだった。シートがじっとりと濡れている。除けているコートは辛うじて無事だが、咥え込んでいる枢木の指ごとびしょ濡れだった。
「くそ……っ」
 ルルーシュは唇を噛みしめ、涙を浮かべて腰をよじった。枢木の指はじんわりと馴染んでいき、鈍い痛みの代わりにうねるような快感が訪れる。
「あ――」
 切ないほどに、欲しい。
 ヒクリ、と陰唇が動いた。とうとう我慢し切れなくなり、ルルーシュは小さく「欲しい」と口火を切った。そして、ねだるように枢木の袖を引っ張る。
「も、もういいだろ……お前だって、俺のことは嫌いじゃないくせに」
 弱々しく言ってみると、枢木は意地悪な眼差しで「もちろん」と嗤った。
「じゃあ、腰浮かせて?」
 前の座席に手を付かせ、枢木はレストランに行く前に抜き去ったアナルプラグをポケットから探り出した。自分も席を立ち、ルルーシュの座席に移動する。流れ切っていなかった精液が、ルルーシュの尻穴をしっとりと濡らしていた。枢木は拭き取ることもせず、潤滑油代わりにしてプラグを差し込んでいく。
「あ――」
 そっちじゃない、と、ルルーシュの口から出てしまいそうだった。再び枢木は指を三本挿入し、ゆっくりと慣らしてから、ヴァギナの入口にペニスを押し付ける。
「三本も入るよ? 処女なのに」
「う、るさい……っ」
 枢木はクツクツと喉を鳴らし、笑いを堪えてズブリと亀頭を挿入させた。
「――ッ!」
 初体験が、映画館の中――。腹の上からポルチオをいじられ、ルルーシュは声を殺して枢木のペニスを受け入れた。片手間に、枢木がベルトに差し込んだダイヤルを強にする。ブーンと震えるローターの音が、画面から聞こえる台詞の合間に響いた。
 圧迫感と、裂けそうな痛み。それらがクリトリスから伝わる快感によって中和されていく。ルルーシュが両足を突っ張らせているうちに、枢木はずっぷりと根本まで埋め込んだ。
「うっ――」
 苦しくて、ルルーシュは呻いてしまう。どっしりとしたペニスの重量感と、焼け付きそうなほど高い熱は、今まで使われてきたローターやバイブとは全く異なっていた。枢木がパツン! と音を立て、腰を叩きつける。ルルーシュは頭の天辺まで駆け抜けていく快感に小さく叫び、唇を噛みしめて前の座席に縋り付いた。
(気持ちいい……)
 外側から子宮を押してくる枢木の手と、ちらちら見てくる他の観客達の目つき。何より、初めて感じるペニスから得る快楽が、ルルーシュを甘く痺れさせた。
 『処女なのに』――と、あてつけの如く繰り返す枢木の台詞が脳内で再生される。初めてペニスを受け入れたのに、もう感じてしまっている。その事実が、ルルーシュの理性をショートさせてしまった。尻でプラグを締め付けると、アソコが締まる。枢木のペニスはドクドクと脈打ち、炙られた杭のようだった。ルルーシュは座ることも出来ず、高々と尻を突き出したまま、背を反らして大きく足を開く。
「スザクって呼びな? ルルーシュ、君って最高」
「あっ……!」
「お尻にプラグ、まんこにもチンポハメられて、両方で感じられる処女なんていないよ?」
「いや。イく……っ。あぁ嫌。ン――ッ!」
 観客は今や、前列のカップル以外の全員がルルーシュに注目していた。ルルーシュが絶頂を迎えると、枢木に向けて野次が飛ぶ。ベルトに締め付けられ、わさわさと揺れる乳房が椅子の背にぶつかった。枢木は「サービスに」とルルーシュの胸を持ち上げ、座席の上に乗せてやった。
 シートに貼られたザラリとした布に、乳首がこすれる。瞬間、ルルーシュの腰に耐えがたい疼きが走った。
「ピル飲んでるよね?」
 はあはあと息を切らしながら、ルルーシュは頷いた。もともと生理が重く、数年前から低用量のピルを処方してもらっている。枢木はいつかルルーシュを貫く時のために、それを聞きつけた時に医者にかかるよう勧めたのだった。……そして、ルルーシュもまた。
(出してくれ、スザク)
 ルルーシュの腰を抱え、ベルトで引っ張りながら、枢木は本格的な律動を開始した。ルルーシュは胸を突き出し、皆に見てもらえるよう手で持ち上げる。コートはほとんど脱げかかり、あらわになった裸体はもう、ルルーシュのものであるのと同時に枢木のものなのだ。
 ぷっくりと立ち上がった乳首をこねくり回され、ルルーシュは憚りなく嬌声を漏らした。あまりの快感にプシッ、プシッと潮を吹く。きゅんきゅんと収縮する子宮を突き上げられ、外側からもポルチオを刺激され、ルルーシュは立て続けに二回ナカイキした。
「あぁ、これ好き。らいすき……!」
 呂律の回らない小声で口走り、自ら腰を揺らす。
「何が好きなのか言ってみてよ」
 背後で枢木が促し、ルルーシュの『大好き』な箇所を集中的に穿った。
「イくのすき。あっ。おちんちん、が……」
 とんでもない一言を、という葛藤が生まれ、ルルーシュの頬がうっすらと染まっていく。枢木はコートの裾をルルーシュに噛ませ、低い声で呟いた。
「夢だったんだよね、僕。処女なのにナカイキ出来るように育てるのって」
 深々とペニスで貫かれる歓びにルルーシュは目覚めた。ローターを外され、映画が終わってしまうまで、ルルーシュは枢木の玩具として望み通り、たっぷりと精液を中出しされ続けた。愛液にはうっすらと、ピンク色の汁が混じっている。でも、出血というほど大げさな量でもない。
 ルルーシュの処女膜は、処女好きの枢木に合わせたかの如く、どうやら無事のようだった。

プロフ

夕希(ユキ)

Author:夕希(ユキ)
取扱:小説・イラスト・漫画

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