オセロ 第23.5話(スザルル)

※R20警報発令中です。

完全なるサービス回により、急遽23、5話化しました。
最初から最後まで延々と(割と激しめな)大人シーンが続いておりますので、未成年の方は絶対にリンクをクリックしてはなりません……。



23,5


 まだ着たままだったズボンのポケットからスザクが取り出したものは、三日前に屋上で使われたものと同じ小さな袋だった。
「そ、れ……」
「うん。もう充分濡れてるけど、使った方が君の負担は少なくて済むと思うよ」
 掠れた声で呟いたルルーシュに笑いかけながら袋の口を開いたスザクは、「動かないでね」と前置いてから透明な液体を掌の上に搾り出す。
 体温に馴染ませる為に軽く揉み込んだ手が開かれた下肢の間へと伸びた瞬間、身構えたルルーシュは怯えたように全身を固く竦ませた。
「……うっ」
 予想していた冷たさではなく、人肌で温められたぬるつきが奥まった部分をしっとりと濡らしていく。
 屋上で犯された時のことを思い出し、ルルーシュはぞくりと背筋を震わせた。
 単に抽挿を楽にするだけでなく、性感を高める効果もあるのだろう。これを使われてしまうと唾液で濡らされた時より格段に感覚が鋭くなり、快感の度合いも高まってしまう。……この先どんな風に乱れてしまうのか想像に難くない。
 窄まりの中心へと擦り込むように指先で塗り込めてきたスザクの指が、入り口をくるりとひと撫でしてからつぷりと入り込んでくる。
「いっ……ぁ」
「痛くないだろ?」
 僅かにふっくりと隆起している蕾の中心は潤滑剤で柔らかくなり、大した抵抗もなくスザクの指を受け入れた。
 初めこそ恥じらうように指の先端だけを食んでいたルルーシュの其処は次第に押し広げられ、付け根まで深々と飲み込んでいく。
「ふぁ、ん」
 足を大きく開いたはしたない格好のまま、ルルーシュは甘い喘ぎを漏らした。腹の奥まで達したスザクの節くれ立った指が、ルルーシュの一番感じる場所を探り当てようと中で蠢いている。
 鍵状に曲げられた指がある一点をく、と押した瞬間、ルルーシュの体がビクンと跳ね上がった。
「ぅあっ……!」
 中でぷくんと膨れている箇所を押しながらぬるぬる擦られると、ずんと重みを増した腰にぞくぞくと痺れが走り、抗いようのない快感が湧き上がってくる。
 体の奥深い部分で得る快感は、ただ前だけを扱かれる時とは全く質の異なる強烈なものだ。切なげに細められたルルーシュの澄んだ菫色が、欲に溺れてみるみるうちに潤んでいく。
「あっ、あっ、うぁん……っあ!」
 中でくるくると円を描くように指を動かされ、一際感じる部分ばかりを狙いすまして時々押し上げるように強く突かれるとたまらない。断続的に駆け抜けていく甘い疼きに頬を上気させながら、ルルーシュは愉悦に極まった声で鳴いていた。
「ルルーシュ……。何? そのやらしい声」
「んぅ、っぁ……!」
 下肢に纏っていたものを全て脱ぎ捨てたスザクが、余った片手で固くしこった胸の飾りをくりくりと弄りながら、からかい混じりに尋ねてくる。
 小さく尖った先端を指先で摘まれ、親指の腹で薄く色付いた中心に向かって強弱を付けて擦り上げられる感触。じわりと広がる刺激にじれったさを抑え切れず、ルルーシュの腰が徐々にシーツの上から浮いていく。
 すると、スザクは今までそのタイミングを見定めていたのか、摘んだ胸の突起をくん、ときつめに引っ張った。
「あぁん……!」
 突然の強い刺激に耐え切れず、半開きだったルルーシュの唇から途方も無く甘ったるい嬌声が漏れ出した。
 奥を突き上げてくる指の動きも激しさを増し、ズン、ズン、と貫かれるたび電流を流されたような痺れが背筋に走っていく。
 酷く感じ入ったルルーシュの腰がいかにも物欲しげに揺れ動いていたが、スザクはルルーシュの腰が上下するごとに動きを逆らわせ、突き上げる指を僅かに引いては角度を変えてくる。
 体の温度が何度か上がったような気さえするのに、焦らすスザクは絶妙な力加減で強度を調節しており、どうしても達するまでには至れない。
「……っく! ふ……はぁっ!」
 篭った息を荒く吐き出したルルーシュは、スザクの剛直で貫かれる感覚を思い出した。
 焦らされれば焦らされるほど欲望は高められ、どんどん後戻り出来ないところまで上り詰めていく。
 恥じらいも忘れて今にも強請ってしまいそうになりながら、そんな己を叱咤するルルーシュは唇をきつく噛み締めた。……幾らなんでも、それだけは出来ない。
 しかし、その思いとは裏腹に、今すぐにでも浅ましい欲に負けて流されてしまいたい衝動にも駆られていた。
 正直ここまで煽られてしまうと、とてもではないが指だけでは物足りない。指よりもっと存在感のある太いもので――スザクのもので貫かれ、思う存分突き上げて欲しいというのが本音だった。
 打ち消そうしても、否定してみても、淫らな思いは留まることなく込み上げてくる。どこまでも貪欲に快楽だけを追い求めようとする本能が忌々しかった。
 もういっそ、追い上げられるままに快楽の淵へと堕ちてしまいたい。
「っぁ、ふぁ……ス、ザクぅ」
「……ん?」
 ルルーシュが我慢出来なくなってきていることなど、スザクはとっくに見透かしているのだろう。スザクは甚振る手を休めぬまま、殊更甘い声音で尋ね返してくる。
「どうしたの?」
「――っ!」
 立てた四本の指で広げた腿の裏をぞろりと撫で上げられたルルーシュは、爪先を突っ張らせながらビクンと体を震わせた。
 強めに押し当てられた指先の感触がしつこく残り、スザクの愛撫に応えるように肌が勝手にぞわぞわと粟立ってくる。……こんな部分でも感じてしまうなんて信じられない。当然だが、実際に触られるまで知りもしなかったことだ。
 スザクの手はそのまま答えを促すように、足の付け根の際どい部分までもを擽る手つきで撫でていく。
 指を埋め込まれてヒクつく入り口の周辺までぬるついた指先で襞を辿るように刺激され、腰の下に滑り込んだ手が尻全体を掌で揉み込みながら割れ目の間を滑っていった。
 尻から足の付け根へと続く部分を撫で上げられたその瞬間、ぞくりと震えが湧き起こり、それまで何とか最後の一線前で踏み止まっていたルルーシュの理性はとうとう瓦解した。
「あっ、あ! もっ、もうっ……!」
「もう、何……?」
「っくぁ、あ……も、い、から、は、やく……っ!」
 奥をゆるゆると突き上げる手もそのままに意地悪く尋ねられ、焦れたルルーシュは涙の膜が張った瞳でスザクを見返しながら切羽詰った声で訴えた。
「どうして欲しいの?」
 顔を寄せてきたスザクが、ルルーシュの頬の形を舌でなぞってから唇で耳朶を食む。
 軟骨の辺りをやわやわと甘噛みする犬歯の感触。興奮で上がった吐息にすら捕食者の優越が滲んでいる。
 至近距離で見返したスザクの深緑は、欲情した雄の色を浮かべて妖しく揺らめいていた。
 心臓は早鐘を打つように鳴り続け、ふっと息を吹きかけられるだけで酷く感じてしまう。……まるで全身が性感帯に変えられてしまったかのようだ。
「ほら。言って? ルルーシュ。ちゃんと言わないとわからないよ?」
「……っう」
 後孔から響くクチャクチャとした粘着質な水音。
 柔らかく解された其処は更なる刺激を求めて蠕動を繰り返しているが、スザクは煽るだけ煽っておきながらルルーシュの欲しがるものを与えてはくれない。
 体の奥にじっとりと熱が溜まり、脳の芯にまで侵食した快楽に思考の全てが冒されていく。
 限界寸前まで高められた熱を少しでも吐き出そうと、ルルーシュは返事の代わりに浅く荒い呼吸を切れ切れに繰り返した。
 苦しげに首を振りながら引き攣れた呼吸に喘いでいると、ふっと笑ったスザクの気配に空気が揺れる。
「ねえ、ルルーシュ。……入れて欲しい?」
 濡れた眼差しを向けたルルーシュがこくこくと頷けば、スザクは「そう」と呟いてから、ぎりぎりまで引き抜いた指を今度はゆっくりと最奥まで埋め込んできた。
 小刻みに揺らしながら入れられると、指の感触が尚更はっきりと伝わってくる。
「あ、ぁ、あああぁ――っ」
 三本に増やされた指が一番感じるポイントへと達し、ルルーシュは神経さえ焼き切れそうなほどの悦楽に極まりながら艶めいた嬌声を放った。
 細く高く尾を引く甘い喘ぎには、待ち望んだ刺激に対する喜悦が滲んでいる。
 眦から零れ落ちた潤みが頬の上を伝っていく様を見ていたスザクは、甘露を味わうようにちゅっと音を立てながら零れたルルーシュの涙を吸い上げた。
「欲しいなら、きちんと欲しいってお願いしてみようか」
「――っ!? ど、やって……」
「……解らない?」
 困惑しながら見上げてみると、意味深な笑みを浮かべたスザクが唇を重ねてくる。
 薄く開いた上唇の尖った部分を幾度か食んでから、スザクは歯列を割って入り込ませた舌でルルーシュの口内を縦横無尽にかき回した。
 引っ込めようとしていたルルーシュの舌を逃すまいと絡め取り、きつく吸い上げてから舌の腹を緩く噛み、最後にゆっくり引き抜きながら離れていく。
 並びの良い歯の感触が舌先に残り、じんと痺れるその感覚にルルーシュは思わず溜息を漏らした。
 まるで肉食の獣に屠られているようだ。食べられているのかと錯覚しそうな荒々しさとは裏腹な、優しく心地良い余韻に陶然とする。
「君は……お願いの仕方も知らないんだな。ルルーシュ」
「!」
 情熱的なキスとは対照的な冷たい声にはっとした途端、くん、と奥を引っ掻かれ、スザクのキスに酔っていたルルーシュは突然我に返った。
「うぁん! やっ……あ、ああぁっ!」
 ずくずくと奥を踏み荒らされ、煽情的な声を上げたルルーシュの体が踊るように跳ね上がった。
 震える腰の動きに合わせて、ぐっしょりと濡れた屹立がふるりと揺れながら迫り来る限界を訴えている。
「言いたくなければ言わなくていいよ。このままやめるだけだから」
「――!」
 きゅっと締まって絡み付く通路の感触を愉しむように、熱く熟れ切った粘膜を浅く緩く出入りするスザクの指。
 今にも達してしまいそうなのに決定的な刺激だけが与えられず、ルルーシュはあまりのもどかしさに気も狂わんばかりになりながらキスで湿った唇を震わせた。
「君はどうしたい?……続ける? それとも、やめるかい?」
 後孔に埋め込んだ指を止めたスザクに尋ねられ、どこか冷えた声音に本気の度合いを知る。
 ルルーシュは敢えて解り切ったことを訊いてくるスザクに非難がましい視線を送った。このままやめるなど出来る訳がないと知っているくせに、煽った張本人の言うことかと思うと怒りさえ込み上げてくる。
 強気に睨んでくるルルーシュを見て目を眇めたスザクは、悔しげに顔を背けたルルーシュの屹立へと手を伸ばし、滑る其処をゆるゆると扱き始めた。
「あ、あぁ、やぁ……!」
「ただ素直になれば? って言っただけだろ? 反抗的な態度を取るなよ。ルルーシュ」
 今まで放置されていた双玉まで掌の中で転がすように刺激され、下肢全体へじわりと広がっていく快感に悲鳴さえ上がりそうになる。
 煽り立てるスザクの手を止めようと伸ばしかけた腕も払われ、また頭上へと括り付けられたルルーシュは切なげな声で訴えた。
「わ、かったから……! 言う、からっ!」
 限界など疾うに超えていたルルーシュが堪え切れずに口を割ったが、無視したスザクは素知らぬ振りで続けてくる。
「ああ、そうか。君は命令したり指図したりすることには慣れてても、人に頼んだりお願いしたりすることには慣れていなかったんだよな。……なら、解らなくても仕方がないか。教えてあげれば済むことなんだし」
「!?」
「入れて下さいって言えばいいんだよ、ルルーシュ。お願いしますって懇願するんだ。この口で」
「―――っ!!」
 肘でルルーシュの両腕を押さえつけながら、噛み締めた唇を親指でなぞってくるスザクに支配欲の滲んだ瞳で睥睨され、ルルーシュは快感に身を捩りながら絶句した。
 誰よりも他人に支配され、命令されることを嫌うプライドの高いルルーシュだ。単に強請って来いと言われるだけならまだしも、快楽を盾に取ったタチの悪い要求など受け入れられる訳が無い。
 拒否すれば放置だけでは済まず、情け容赦ない責め立てが待っている。
 随分と俗っぽいことを言うと心の中で吐き捨てながらも、長く続く焦らしに頭がおかしくなりそうなのも事実だった。
「僕は、素直に僕を求める君の姿が見たいだけだ。……何でもするって言っただろ?」
「……っあ!」
 通路を解していたスザクの指が再び動き出し、奥の敏感な部分を狙って突き上げてくる。
 ズンと貫かれた衝撃で顎が上がり、酷い快楽が背筋に走った。ぴんと勃ち上がった先端から、また止め処もなく先走りが溢れ出してくる。
「あっ! あぁんっ、うぁ……ああぁっ!」
 枕に張られた布を握り締めながら、ルルーシュはスザクの指で奏でられる楽器のように鳴いていた。
 甘苦しい疼きがぞくぞくと湧き上がり、極限まで高められた欲望が開放を求めて身の内で暴れ回っている。
 刺激に弱いこの体が憎い。疾うに壊された理性が、スザクの求めるままに流されてしまいたいと頻りに訴えていた。
 恥も外聞もなく、欲しがる体に任せて強請ってしまいたい。……そう思った瞬間、遂にルルーシュのプライドがポキリと音を立てて折れた。
「……れて……」
「聞こえないな」
「い、入れて、下さい……っ」
 希うように搾り出したルルーシュは、消え入りそうなほど小さな声で言ったきり、桜色に染まった顔を居た堪れなさそうに俯けた。
 頭上で両腕を拘束され、スザクの眼前に全てを晒しているため逃げ場すら無い。
 心の中で思っているだけでも屈辱的だというのに、口に出して言うと余計激しい羞恥に襲われる。
 ――しかし。
「まだ一言残ってるだろ。最後まで言うんだ」
「……っ!」
 追い詰められたルルーシュがぎゅっと目を瞑った。
 ――言えない。……それ以上に、どうしても言いたくない。
「強情だな」
 黙りこくったルルーシュを見てぽつりと呟いたスザクは、戒めていたルルーシュの手首を離した。
 拘束が解けてほっとしたのも束の間、スザクは黙りこくったまま最後の一言だけを言えずにいたルルーシュに向かって「ホントにプライド高いんだな」と呟くなり、屹立した前部の根元を思い切り握り締めてくる。
「ひぁ! ……に、するっ!」
「もしかして許されたのかと思った? だとしたら甘いよルルーシュ。言えって言ったのが聞こえなかったのか?」
 痛いくらい張り詰めていたものを力任せに握られ、驚いた反動で浮き上がりかけた上体も突き倒されたルルーシュは、ほとんど嗚咽混じりの声で泣きながら叫んだ。
「あ、あ! お、お願い、しますっ……!」
 振り乱した黒髪が枕元に散り、屈辱に震えていた唇の上にも涙の粒が零れ落ちていく。
 ぼろぼろと泣きながら訴えたルルーシュにそっと口付けたスザクは、喜色満面に微笑んだ。
「よく言えたね、ルルーシュ。――凄く可愛いよ」
 前を掴んでいた手を離したスザクは、汗と涙に塗れて顔に張り付くルルーシュの髪を丁寧に掻き分けてやりながら、熱に浮かされてうっとりした声でもう一度「可愛い」と呟いた。
「意地悪してごめん。……でも、君が好きなんだ。君を愛してる」
 ルルーシュの頬に優しく口付けたスザクは、額と瞼にも唇を落としながら謝ってくる。
「……っう」
 後ろに埋め込まれていた指がゆっくりと引き抜かれ、ルルーシュは去っていく圧迫感に辛そうな呻きを漏らした。
 つい先程までの高圧的な態度が嘘のように、一転して真剣な声音で告白してくるスザクの真意が解らない。
 ただ、演技とは到底思えないほどスザクの瞳は切実だった。
 切なさと、狂おしいほどルルーシュを欲する気持ち。それらが綯い交ぜになった複雑な感情を隠し切れていないスザクの眼差しと真っ向からぶつかり、ルルーシュは泣き濡れた紫玉を揺らしながら沈黙した。
「こんなことしておいてって思うかもしれないけど、本当だ。……それだけは信じて。ルルーシュ」
 スザクは言いながら苦しげに目を逸らし、赤く濡れそぼった入り口に自らの昂りを当ててからぐっと押し込んでくる。
「あ、あ、うぁ……っ! ああぁんっ……!」
 みっしりとした質量に奥まで割り開かれ、根元までしっかり埋められた瞬間、うねるような快感の波が一気に押し寄せてきた。
 待ち侘びた刺激に喉が鳴る。――信じられないほど、いい。
「うくっ……んん、っあ!? やあぁ……っ!」
 スザクはうろたえた声を上げるルルーシュに構わず、更に深くまで腰を推し進めてくる。
 いいように翻弄されて快感に喘ぎながらも、大きく足を広げて大人しく雄を受け入れているルルーシュの姿は、淫らであるのと同時に従順だった。
 あられもないルルーシュの姿を、スザクが興奮した眼差しで凝視している。
 飢え切ったその瞳と視線がかち合った刹那、ルルーシュは体の芯からぞくぞくぞく、と湧き上がる凄まじい絶頂の奔流に攫われた。
「あ、う、そっ……!? イ、く……っ、あァ、あ、ああぁ――っ!」
 最奥まで捻じ込まれた腰でぐ、ぐ、と揺さぶられると同時に、ルルーシュは甘く蕩け切った声を上げながら達していた。
 全身を突っ張らせたままガクガクと痙攣を繰り返し、上擦った細い吐息を漏らす口唇の端から唾液が糸を引いて流れ落ちる。
 抗いようもないほど唐突に訪れた強制的な絶頂。……しかし、ルルーシュの前面は固く勃ち上がったまま萎えていない。
 全く未経験の快楽は強烈なものだった。
 精を開放しないまま、前立腺を刺激されるだけで達してしまったのは初めてだ。
「色っぽい声……。まだ出してないのに、後ろだけでイっちゃったの?」
 話すスザクの声に笑いが滲んでいる。
 ルルーシュが陶酔し切った表情で見上げると、スザクは空気を求めてわななきながら、浅い呼吸を繰り返すルルーシュの唇を自分のそれで塞いできた。
「ん、ふぁ……はっ、はぁっ、んんぅっ!」
 スザクの腕に立てられていた爪がずるりと離れ、腕ごと力なくシーツの上へと落ちていく。
 苦悶の表情で首を振りながらのたうつルルーシュを、スザクは重ね合わせた唇を深くして押さえつけた。
 呼吸が阻まれて息が出来ない。苦しくてたまらない。――けれど。
 まだ足りない。……もっともっと欲しい。
 体の奥に溜まっていた疼きは、冷めて留まるどころか更に酷くなった。ルルーシュは自分の身体に起こった未知の変化に愕然としたが、しかし、もう抵抗しようとは欠片も思わなかった。
「んんっ……」
 息を引き攣らせたルルーシュは、重なり合った唇を自分からも深くしていく。
 一方的に受け入れていただけの舌を自らも絡め、いつもスザクにされていたのと同じように吸い上げてみれば、スザクもお返しのつもりなのか、上顎を舐め上げてから舌の腹を愛撫し、最後に引き抜くほどきつく吸い上げてくる。
 じんと痺れた舌をようやくの思いで引っ込め、口を閉じるのも忘れて溜息を漏らしていると、スザクは閉じる方向を示すように下唇、上唇の順に動きを付けて口付けてきた。
 閉じた互いの唇を幾度か擦り合わせてから、また軽く食むように啄ばまれ、溺れそうなほど巧みなキスに意識が朦朧とする。
 ――キス一つ取っても、こんなにも気持ちがいい。
「ん、ふ……はぁっ……」
 腰の下に回ったスザクの両手がするすると下へ滑っていき、ルルーシュの尻を掴んで揺らしてきた。
 収めた自分のものを抜き差しするようにルルーシュの体を上へと押し上げ、また手前へと引き寄せる。
「ぁん、あっ……」
 スザクのものを呑み込んだままの後孔からその奥へと、じんわり刺激が伝わってくる。
 ぞく、ぞくん、と、たちどころに腰の奥から湧いてくる甘い快楽。中途半端に煽られて、まだ熱っぽく疼いていた体に火が灯る。
 ルルーシュの内壁は今も尚、物欲しげにヒクヒクと収縮を繰り返していた。……一年前、スザクにしょっちゅう抱かれていた時でさえ、今のような激しい達し方をしたことはない。
「ス、ザク……。もっと……」
 ルルーシュは切なそうに眉を寄せたまま腰をゆらゆらと上下させ、繋がった部位を出入りさせるようにスザクの前面へと擦り付け始めた。
「ルルーシュ……?」
 我を忘れて自分から求めてきたルルーシュに驚き、スザクが呆然とその様を見つめている。
 ルルーシュは先を強請るようにスザクの腰へと両足を絡め、掴んだスザクの手首を支えにしながら夢中で腰をくゆらせていた。
「あっ、あっ……ぅんっ、んぁ」
 か細い声で鳴きながら感じる部分に当てようと腰を揺らすルルーシュが、スザクの掌に自分の手を重ね合わせてから指を絡め、強く握り込んだ手を口元へと運んでいく。
 指の一本一本に口付けながら、ルルーシュは誘うようにスザクを見上げた。
「は、やく……あ、スザっ……もっと、欲しっ……」
 腰を揺らしながらとろりとした表情で欲しがるルルーシュを見た瞬間、スザクの喉がごくりと鳴った。
「欲しくなっちゃった……? 前でもイきたい?」
「……ん、」
 愉悦を含んだ低い声で尋ねてきたスザクを潤んだ瞳で見上げたまま、快楽に頬を染めたルルーシュがこくんと素直に頷いた。
 赤く色付いたルルーシュの唇を、スザクの指が撫でていく。
 ルルーシュは自分の唇をなぞるスザクの指へと舌先を伸ばし、ぺろりと舐めてから深く咥え、感じ入ったように舌を絡めた。
 スザクに奉仕している時のことを思い出すだけで、また腰がずんと重くなる。
「……可愛いよ、ルルーシュ。その顔見てるだけでイけそうだ」
 嬉しそうな声で呟いたスザクが指を抜き、腰をゆっくりと引いてから律動を開始する。
「ぅん、っく……ふぁっ! あ、ぁう!」
 熱く脈動する猛りで抜き差しされる度に、ぞくぞくと快楽が駆け登ってくる。引いた腰で叩き付けるように強く打ち込まれ、ルルーシュは切れ切れに甘ったるい喘ぎを放っていた。
 良くて、好くて、たまらない。――じわじわと湧き上がってくる疼きで、脳まで蕩けてしまいそうだ。
 スザクは緩急を付けて突き上げては腰を回し、ルルーシュのいい所を擦り上げるようにして押し込んでくる。
「ここ突かれるの大好きだろ、ルルーシュは」
「ぅぁん、んっ、あ……す、好き」
「……もっと欲しい?」
「ん、欲しっ……あぁっ、んぁん! あっ!」
 スザクの言うがままに従い、細い肢体をしならせて善がるルルーシュは、さながら色気の塊のようだった。
 絶え間なく打ち寄せる快感に一切の抑制を失い、今や理性など完全に飛んでいる。
 たどたどしくも舌ったらずな口調はどこか幼く、被虐の悦びと更なる加虐を誘う響きとに満ちていた。
 しかし、見た目の硬質な印象を全て裏切るほど壮絶な淫靡さを醸し出しておきながら、まだ恥らう気持ちだけはどこかに残っているのか、ルルーシュは時々伏せた瞳を頼りなげに揺らしている。
「沢山感じて、前でもイって? もっと欲しがってる所、僕に見せて」
 開放を求めて張り詰めていたルルーシュのものを握り込んだスザクは、敏感な先端を親指の腹でぬるぬると擦った。
「ふぁっ! あぁん、あっ……!」
 触られている箇所からじん、と、疼痛にも似た熱が広がっていく。
 鈴口から漏れ出た蜜には既に白いものが滲み始め、びしょ濡れになったそれを扱くスザクの手もクチュクチュといやらしい音を立てていた。
「気持ちいい?」
「んん、いい……気持ち、いっ……ぁ、あァ!」
 もう、このままずっと繋がっていたい。前を擦る手も離さないでいて欲しいくらいだった。
 スザクは突き上げを止めぬまま上体を屈め、腰に巻き付いたルルーシュの足首を片手で掴んで真横に割り開く。
「足、もう一回大きく開いてごらん。その方がもっと深く入るから」
 スザクに言われるまま、すぐに自分から大きく足を広げたルルーシュは、酷い快楽に蝕まれて狂いそうになりながらスザクの動きに合わせて必死で腰を振っていた。
 ずぶずぶと埋め込んだもので一際奥深くまで抉られ、しなやかに背筋を反らしたルルーシュがビクビクと体を跳ね上がらせる。
「ひぁっ! あ、あ、イイっ……あっ、んぁ!」
 口から漏れるのは、最早意味の成さない喘ぎばかりだ。緩く握り込んだ手で扱かれている前部も、そして蹂躙されている腹の奥も、刺激され続けることでより感覚が鋭敏になっていくようだった。
 縋る瞳でやめないで欲しいと訴えながら、ルルーシュは無意識に銀糸の垂れ落ちる唇へと手の甲を当てていた。
 唾液に濡れた唇の震えが手の甲越しに伝わってくる。――死にそうなくらい気持ちがいい。
 極上のアメジストを縁取るルルーシュの長い睫には涙が絡み、瞬くたびに目尻の縁から潤みが零れ落ちていった。
 スザクは腰の動きもそのままにルルーシュの胸の突起へと舌を伸ばし、薄く色付いた周囲を舐め回してからちゅうっときつく吸い上げる。
「っく! うぁ、はっ! あぁ……っ」
 スザクに胸を差し出す格好になってしまうのにも気付かず、ルルーシュは鼻にかかった声を迸らせながら大きく背中を撓らせた。
 見開いた目で見た視界が、涙に滲んで歪んでいる。
 敏感な二箇所だけでも耐えられないほどの刺激だというのに、スザクは両胸の飾りを交互に可愛がり、舌で転がすように舐め回しては吸い上げるのを止めようとしない。
「ああぁん……ぁ、スザっ……あっ、も、やぁぁっ!」
 三点を同時に刺激され、絶頂寸前の気が狂いそうな快楽がずっと続く苦痛に苛まれながら、ルルーシュは壊れたように善がり続けた。
 燻る体も発する声に合わせて、ビクビクと痙攣し続けている。
 いっそ拷問とも思えるほど酷い快感に酩酊しながら、もう意識が落ちることさえ望んでいたルルーシュだが、しかし、スザクはそれさえも許してはくれなかった。
「もうイきそう?」
 優しい声音で尋ねられ、達しそうになっていたルルーシュがこくこくと頷く。
「そうか。じゃあまだ駄目だ」
「―――っ!!」
 ルルーシュの返事を聞きつけた途端、スザクは即座に根元を強く抑えて射精を妨げてくる。
 達する寸前で塞き止められ、体の中で暴れ狂う熱におかしくなりそうだった。
 ……それなのに、開放の瞬間を思うだけで、狂おしいほどの期待に喉が鳴る。酷虐ともいえるほどの激しい責めでさえ、今のルルーシュにとっては堪らない快感へと変換されていた。
 元々与えられる刺激を拾いやすく、人一倍感じやすい体だ。腰を強く打ち付けられるごとに凄まじい悦楽が全身の隅々まで駆け抜け、揺さぶられるままに弛緩した四肢がぞくぞくした甘い疼きで痺れ切っていく。
 嗚咽を漏らすルルーシュの体を、スザクは容赦なく突き上げた。
 潤滑剤と先走りの混ざり合った滑りが、ずくずくと出入りするスザクの屹立の動きをリアルに伝えてくる。
 限界まで引き抜かれた昂りを何度も最奥まで捻じ込まれ、みっちりとスザクのものに食い付いているルルーシュの入り口も、くちくちとはしたない破擦音を立てていた。
「凄い締め付けだな……。何だか僕の方が君に食べられてるみたいだ」
 荒い息を吐きながらもまだ余裕があるのか、スザクは笑いながら囁いてくる。
「……ねえ、ルルーシュ。もう一回『いい』って言って?」
「あぅ、んぁん! っく……いぃ……すご、気持ち、いい……っ!」
 突き上げられてガクガクと震えていたルルーシュは、耳元に落とされたスザクの囁きに意識を飛ばしながら、うわ言のように甘えた声で何度も「いい」と口走った。
 乱れるルルーシュの声を聞きつけたスザクが突き上げる速度を早め、律動を激しいものへと変えてくる。
「僕も気持ち良いよ、ルルーシュ。ずっと君とこうしていたいくらいだ。……でも、そろそろ限界、かな」
 スザクは呟くなりルルーシュの先端をきつく握り締め、しとどに濡れた潤みを利用して一気に追い立ててきた。
「んっ、んぁっ! スザっ……ああぁっ!」
 派手に善がるルルーシュの奥をぐるりと回した腰で掻き回しながら、スザクが「美味しい?」と尋ねてくる。
 しかし、ルルーシュは歯の根も合わないほど震える唇から吐息を漏らすのが精一杯で、もう何も言葉にすることなど出来なかった。
 舐られていた胸の飾りを甘噛みされ、強く首を打ち振わせたルルーシュの髪がぱさぱさと枕の上に散らばっていく。
 その間にも抽送は更に激しさを増し、塞き止められていた前も激しく扱かれながら、ルルーシュは煽られる熱のままに高まる愉悦を極めていった。
 時折咳き込みさえしながら切れ切れに喘ぐルルーシュは、体の中で出口を求めてぐるぐると暴れ回る快感を追いかけながら、揺さぶられる動きに合わせて激しく腰を振り続ける。
「一緒にイこう、ルルーシュ」
 ルルーシュの胸を嘗め回しながら、スザクが低く熱っぽい声で囁いた。
 はち切れんばかりに熟れた先端の丸みが充血し、擦るスザクの手の中で熱く脈打ちながら膨れ上がっていく。……同時に、ルルーシュを貫くスザクの怒張も後膣の中で硬度と質量を増していった。
 ぞくぞくぞく、と湧き上がってきた前兆にルルーシュが全身を突っ張らせた刹那、ルルーシュの乳首を甘噛みしていたスザクが「出すよ」と短く呟く。
 腹の奥でぶわりと膨れるスザクの猛りを感じながら、ルルーシュは自分の腕で両膝の裏を持ち上げた。
 限界まで大きく足を広げたルルーシュの奥深くまで腰を送り込んだスザクが、一瞬くっと息を詰まらせる。
「―――っ!」
 ヒクヒクと収縮を繰り返していた通路へと熱い飛沫が放出された瞬間、溜まりに溜まっていた熱が一気に弾け、ルルーシュも壮絶な絶頂に達していた。
「ふぁっ……あ、っうぁ、ん! ―――っあ!」
 ぞくん、ぞくん、と、登り詰めた全身が激しく震えている。
 ルルーシュは淫蕩な欲の赴くままに、咥え込んでいたスザクのものをきゅうっと締め付けた。
 溢れ出す脳内麻薬に溺れ切った体は芯から蕩け切り、肉体の形ですら曖昧になっていく。
 前も、後ろも、そして奥も……体中の全てで達した。そんな感じがする。
 ――どこもかしこも酷く熱くて、そして、気持ち良くて堪らなかった。
「……全部飲んで」
 スザクはビクビクと痙攣しているルルーシュの腰を抱きかかえ、ベッドから浮かせながら腰を揺らしてくる。
「はっ……はっ、あ、うぁっ……」
 根元まで埋め込んだまま奥へと注がれ、ルルーシュは爪先をピクピク震わせながらこくりと喉を鳴らした。
 奥の奥まで汚される感覚に、興奮が全く鎮まらない。
 スザクの雄は、まだ後膣の中でドクドクと脈打っている。後唇をぬるぬると出入りするスザクのものが、こぷ、と音を立てて漏れ出しそうなほど大量の精を吐き出している感触に目を閉じながら、ルルーシュは尚も込み上げてくる快感に大人しく堪えていた。
 スザクは腰を小刻みに揺らしながら、一滴も漏らさぬようルルーシュの中へと出していく。溢れた腸液とスザクの白濁で、ルルーシュの通路はじっとりと濡れて潤っていた。
 流れ出すルルーシュの白濁も留まるところを知らず、スザクの手とルルーシュ自身の腹をも汚していく。
「あれだけ我慢したんだから、まだ出るだろ?」
 ルルーシュのものを握り締めていたスザクの手が、最後まで搾り出そうと再び扱き出した。
「うぁっ、あ、やぁ……っ! ぅん、んっ!」
 過ぎる刺激にビクン、ビクンと腰を跳ね上がらせながら、ルルーシュが辛そうながらも甘い声を上げる。
 握り締められた幹の部分がトクトクと小さく脈打ち、開いた先端の穴からミルク色の玉が顔を出した。
 ふくりと膨れ上がった潤みはやがて大きな粒になり、丸いその形を崩しながらどろりと流れていく。
「やらしいな……。決して美味しくはないって解ってるけど、君のは何だか美味しそうだ」
 下唇をぺろりと舐めたスザクが、たらたらと溢れ出てくる白濁の流れを細めた目で追いながら、うっとりした表情で呟いた。
「そ、んなもの……しくないに、決まってる、だろ……」
 馬鹿なことを、と思いながら息を切らしたルルーシュが顔を顰めると、「ん?」と呟いたスザクが目を合わせてくる。
「だから、何故かそう見えるから不思議だって言ってるんだよ」
「ひ……っ!」
 流れ落ちた潤みを使ってぬるん、と擦られ、ルルーシュはビクリと肩を竦ませた。
 弱いと知っていながら、わざとらしく触ってくる手が憎らしい。 
「このまま擦り続けてたらどうなるのかな……。試してみようか」
 スザクは口角を上げながら恐ろしいことを平然と口にした。
 未だ硬度を失わない屹立で奥を突かれ、ぎょっとしたルルーシュが思わず体を強張らせる。
 ――まだ感覚は鋭敏なままだというのに、冗談じゃない。
 慌てて足を閉じようとしたルルーシュを見て、スザクがぷっと吹き出した。
「嘘だよ」
 さすがにそれは辛いと思ったのだろう。スザクはどうか知らないが、少なくともルルーシュにとっては拷問にも等しい時間だった。……それも、あらゆる意味で。
 スザクはクスクス笑いに肩を揺らしながら、ゆっくりと自分のものを引き抜いた。
 芯を残したまま僅かに硬度を落とし始めたスザクのものが出て行くにつれ、中に溜まっていた潤みも一緒に滴り落ちてしまう。
「――っう、」
 ずるりと引き抜かれる感触に眉を顰めながらも、ルルーシュは内心、ようやく行為が終えられたことに安堵してもいた。
 ほっと吐いた溜息は、スザクにはきっと、単に圧迫感から開放されたが故のものだと思われたことだろう。
 ルルーシュはスザクの言葉が冗談で良かったと心底安心した。
 これ以上続けられたら本気で身が持たない。まかり間違って二度目に縺れ込まれでもしようものなら、今度こそ本当に死んでしまう。
「ルルーシュ」
「?」
 不意に笑みを下げて真剣さを取り戻したスザクに名を呼ばれ、抜け出ていく感覚を追っていたルルーシュは、視線を自分の下肢からスザクの顔へと移した。
 スザクは「さっきも言ったことだけど」と前置きしてから話し出す。
「僕はね……。本当は、君にはこうやって、いつも僕の腕の中で泣いていてほしいんだ。そして、そんな君を抱きしめていたいと願ってる。……本当は、ずっとこうしていたいんだよ。いつまででも」
「…………」
 酷く勝手な言い分に何と返せばいいのか解らず、ルルーシュは戸惑いながら沈黙する。
『僕』というよりは、まるで『俺』の台詞を聞いているかのようだ。
 ―――けれど。
「君を愛してる……。本当だ。だから約束してくれ、ルルーシュ。――僕を拒否しないで、これからも受け入れて欲しい」
 スザクの瞳に真っ直ぐ射抜かれながら、ルルーシュは気付いた。
 これは、罅割れた『僕』という仮面の隙間から覗いている『俺』の言葉なのだと。
 屋上で抱かれた時にも思ったことだが、随分と倒錯している。正気だろうかと思う反面、スザクをここまで狂わせた――いや、壊してしまったのも自分なのかもしれないとルルーシュは思った。
「君を失うのが怖いんだ。解って、ルルーシュ……」
 肩口に顔を埋めてきたスザクが、くぐもった声で囁いてくる。
 ルルーシュは答えの代わりにふわふわした癖っ毛を撫でてやりながら、そっとスザクの頭を抱きしめた。
「お前は……まるで大きな子供のようだな。スザク」
 狂気や妄執というより、スザクがルルーシュに対して抱くこの想いは、もしかすると子供じみた独占欲に近いものなのかもしれない。
 大人になってタチの悪さを増したようだが、我侭で勝手な所だけ八年前のスザクそのままだ。
 ――俺が強情なら、お前は横暴で一方的だ。
 本当はそう言ってやりたかったが、ルルーシュはスザクの頭にキスを落としながら、ただ優しい声音で「馬鹿だな」とだけ呟いた。

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夕希(ユキ)

Author:夕希(ユキ)
取扱:小説・イラスト・漫画

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